2020年に入り、マンション管理会社による横領事件が後を絶ちません。2月末日時点で既に3件発生しています。管理組合の財産を横領するなんて本当に許せない行為です。
その内の1社は、過去に2度横領事件が発覚しています。そのときに国土交通省から指示処分を受けています。そして3度目の横領事件が発覚しました。2度あることは3度あるということわざがありますが、まさにこの事です。
指示処分とは
従業員に対する教育周知徹底を図り、業務管理体制の整備に努め、その実施状況を報告すること。
同社による3度目の横領事件
複数の管理組合財産を複数の元従業員と再委託先の従業員が不正に着服し、管理組合に損害を与えた。
「複数の元従業員?」「再委託先の従業員?」、これってかなりエスカレートしてませんか。
国土交通省のネガティブサイトでは、横領事件の詳細が記されていないため、ネットで調べてみました。👇
今回の不正行為は、管理組合から提出された決算書を確認した際、実際の予算より多く計上されていたことから社内調査を行った。同社従業員と再委託先の従業員が備品購入時に飲み物や日用品などの私物を合わせて購入していたことが判明。着服された金額は370万円にものぼる。この不正に加担していた従業員は合わせて11名。
<Net IB Newsの記事より一部抜粋>
ここまでくると社内で着服が恒常化しているとしか思えません。今回で3度目なのに国土交通省が下した処分はもっとも軽い指示処分です。どういう基準で処分を決めているのか、かなり疑います。
私が思うに2度目の段階で業務停止処分、3度目は登録取り消しにすべきです。だって、処分というのは不正行為を未然に防ぐためのものでしょ。それが2度も再発しているわけだから、逆に国に対して行政処分の在り方を問います。
仏の顔も三度まで???
本当に処分が軽すぎます。大半の管理会社が法令を遵守しているわけだから、不正行為を犯す管理会社にはもっと厳しい処分を下すべきだと思います。
それとどういった手口で横領事件が起きたのか、そこを監督行政は情報開示すべきだと思います。そうしないと管理組合も他の管理会社も注意すべき点が理解できませんよね。
事件・事故というのは、一方が注意すれば防げる確率は高まります。見方を変えれば、双方に注意が欠けると起こり得ます。今回の件も領収書のチェックをしっかり行っていれば未然に防げたと思います。
結局のところ、従業員に任せっぱなしにしている会社ほど不正が起きやすい環境にあると言えます。容易に魔が差す環境を企業自らが生んでいる、そこに問題があるように思えます。
特にお金については、管理組合、管理会社共に互いに牽制し合うことが重要だと思いますし、ひとつ一つの備品の監査(チェック)は、管理組合側でしっかり行う必要があります。
マンション管理会社による横領事件は毎年起きています。この事実だけは知っておく必要があります。
<過去に処分を受けたマンション管理業者一覧はこちら👇>
▶ 処分を受けた管理業者一覧:特定非営利活動法人 マンション管理支援協議会