そもそもマンション管理会社って何のために存在するのだろう?
マンションの管理組合の関係者は、まずそこを考える必要があると思う。
管理組合…
理事会…
個々の所有者…
そして当事者である管理会社…
マンション管理会社は、業務を行う上でマンションのことを把握(理解)すべき立場にある。特に建物や設備の状態の把握は欠かせない。
しかしながら、状態を完全に把握しきれていない管理会社が多いのが実情ではないだろうか。もしそれが事実だとすれば管理会社自体の存在意義は薄れるし、適正なマンション管理の支援業務など行えまい。
素人では分からない専門的な部分を管理会社に委託(期待)しているわけだが、管理会社の多くは、専門的な業務について各専門業者に再委託している。
この再委託の裏側では、現場の状況を把握することよりもむしろ、各専門業者から受理した報告書に依存する管理体質が窺われる。結局のところ、現場を知らない管理会社に管理を委託すること自体に問題があるように思えて止まない。
報告書に依存し過ぎると
報告書に真実が全て書き記されているとは限らない。なぜなら、現状とは異なる内容が記されているケースが見られるからだ。これは管理会社自らが行う建物・設備点検にも垣間見れる。
報告書に記載されている建物・設備の劣化の判定基準は管理会社毎に異なる。ABC判定で記載されていたり、良否判定が用いられていたり、その判定基準は様々である。
実際に現場を確認してみると、良好と判定されたものが、改善が必要な状態であったり、報告書と現場のミスマッチがそこにあったりもする。
よくあるのが、報告書に不備の指摘があり、そこで管理会社に修繕工事を依頼し改善がなされているのに、その後の点検で、不備事項としてそのまま記載されている。これはコピペの使いまわしである。
管理会社の見積書の中には、現場確認は一切行われずに、ただ下請業者の見積りに管理会社の利益を上乗せして管理組合に提出されたりもする。そんな元請者としての立場を弁えない管理会社が中には存在する。
管理会社が現場状況を把握しきれていない状況下で、平然とマンション管理業務が行われている感は否めない。
なので、報告書とか見積書が提出された際は、必ず現場チェック(状況把握)は管理組合自身が行うことが大切だと思う。本当に…
冒頭で語った「マンション管理会社って何のために存在するのか」、管理会社に管理を委託する場合、原点はそこにある。
私は管理会社の実務経験を通じて、管理会社に限界があることを知っている。「とにかく忙しい」、キャパシティーを超えている管理会社が多いのが実情ではないだろうか。
そのような状況下で果たして適正なマンション管理が行えるのか甚だ疑問に感じる。(詳しくはこちらの記事👇)
それを知っているから、私の住んでいるマンションでは、管理会社に全てを委託することは敢えて行っていない。それぞれの専門分野に応じて直接業者に委託し、セパレート方式によりリスク分散を図っている。