管理会社が修繕工事を元請けで受注する場合、そこに暴利と思える中間マージンが上乗せされている。2割から4割って本当なのだろうか?
問題はそこではない。
修繕積立金が足りないから多くのマンションは値上げを強いられる。当然初回の修繕積立金の設定金額が低いのも値上げの理由になるのだが、修繕工事が適正な金額でないとすれば、マンションの所有者たちは過剰に支払っていることになる。
修繕積立金が不足する理由は、この2つの要素があることを理解しておいてほしい。
長期修繕計画に計上されている各々の工事費用は、何を根拠に算定されているのか、そこが重要である。
▶ そのマンションを施工した建設会社の工事見積金額を計上している。
▶ ゼネコンの工事見積金額を計上している。
▶ それぞれの専門業者の工事見積金額を計上している。
▶ 管理会社が元請けの工事見積金額を計上している。
それぞれの管理組合において、工事費用の捉え方は異なると思うが、個人的な意見を言えば、不要な中間マージンを排除できる「それぞれの専門業者の工事見積金額」で、かつ、紹介料などの不要なリベートを発生させない、これを工事費用に反映させるべきだと考える。
実際にこの工事費用を長期修繕計画(修繕積立金の改定プラン)に反映させると、修繕積立金を低く抑えることができる。
管理会社を介すと工事費用は割高になる。そこには冒頭の利益が上乗せされているから当然そうなるだろう。
それと建設会社は、下請けが重層的になっているから当然コストが割高になる。高く請けることはあっても安く請けないのが建設会社である。かと言って工事の仕上がり具合は、現場監督によりけりである。
修繕積立金の値上げに対する矛盾とは!
前述のとおり、修繕工事には不要なコストが含まれていることが多い。これを算定の基準として修繕積立金の改定を行うとすれば、修繕積立金が高く設定されることを意味する。
そこには矛盾がある。
多くの場合、管理会社が長期修繕計画を策定している。これと併せて修繕積立金の改定プランが策定されているわけだが、見方を変えれば、管理会社の売上表になっている感は否めない。詳細についてはこちら☟
▶ 分譲マンション|長期修繕計画表は管理会社の売上表ではない!
長期修繕計画の策定にあたっては、マンションの所有者の皆さんが納得できる工事費用を用いる、そこが重要ではないだろうか。