管理費・修繕積立金

共用部の保険料値上げに伴い管理組合として考えるべきこと!

2022年2月5日

 

我がマンションは築年数が20年を超えているので共用部の損害保険料が5年前に比べると大幅に値上げされ、3年前の消費税の料率改定も重なり管理費会計の剰余金のゆとりがなくなってきました。

今年10月に保険料が改定されるような話を耳にしますが、そろそろ管理費の値上げを検討する時期なのかも知れません。

昨年の総会のときに今後の共用部の保険の使い方について話し合いが持たれました。車の保険と同様に共用部の保険も使うと上がる仕組みに変わったので、使った場合、更新時の保険料がどれくらい上がるのかそこを見極めながら使う使わないを判断する必要があります。

これって結構面倒ですよね。保険を使うケースの多くは緊急性を伴うから、時間がない中で意思決定を行う必要があるので理事会は大変です。

仮に使わない場合、修繕費をどこから捻出するのかも予算を組む際に考えなくてはなりません。過去に保険を適用した補修費などをリスト化し、どういった事故がいつ起きてそのときに費用はいくら掛かったのかとか、逆に事故を起こさないための対策を検討することも重要になります。



漏水事故が多いマンションでは、給排水管の更生・更新工事を早期に行うとか、防水工事を前倒しで行うとか、適正な修繕を行うことで多くの事故は防げます。

また、保険料を下げる方法として、共用部の保険の中に含まれている個人賠償保険を外すとか、免責金額を上げるとか、保険価額、付保割合を下げることで保険料は下がります。

日新火災海上の個人賠償保険は他社に比べるとかなり低い金額なので、この場合、個人賠償保険は外さないといった意見も出てくるかと思いますが、個人賠償保険を使えば事故カウントに加算されるので、逆に今の時代は外す選択の方が賢明な選択なのかなって感じます。

個人賠償保険を管理組合で一括加入しておきながら、事故が起きた際に「更新時の保険料が上がるので使えません」なんて相手方に言えないですよね。なので、使えない保険に加入すること自体、矛盾が出てきます。

だったら外した方がいいよねってなります。そこで課題になるのが個人賠償保険を各自で加入してもらうことです。しかしながら、強制はできませんからね。

そこで「保険に入っていなければ全額実費になりますよ」、この周知は最低必要になります。そこから先は自己責任です。管理組合によっては、加入を徹底されるところもありますが、全戸の加入を把握するのは大変です。

保険証券の写しを管理組合に提出してもらう、これも個人情報になりますからね。難しい。とまあ保険料の値上げは波乱づくめです。

話しは戻りますが、予算の中に「保険適用工事」といった勘定科目を設けている管理組合がありますが、保険を使わないケースがこれから出てくると思われるので、「保険適用外工事」という勘定科目を設けて、そこに見込み予算を計上するといった方法があります。

保険料の値上げで色々と考えることが出てきます。この記事が気付きになれば幸いです。

 

 


 

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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