長引くコロナ禍において、総会や理事会が延期になったり、重要な議題が先送りになったりと関係者の皆様にとっては本当に頭を悩ませる問題です。
そこでオンラインによるバーチャル理事会とかバーチャル総会に期待が寄せられていますが、実情として色んな問題があって断念されているケースが多いのではないでしょうか。
企業によっては、パンデミックの前からWEB会議が導入されていたりもしますが、企業と異なる点は、インフラ整備が容易でないこと、実施する上での手続きの煩雑さなどが挙げられます。
企業なら役員の意思決定によりオンライン化を推し進めることはできますが、管理組合の場合はそうはいきません。オンライン化のためのインフラ整備が必要になりますし、全員が参加できる環境を整える必要があります。
そこでIT技術操作に不慣れな方もいらっしゃいますし、IT環境が整っていない方に整えろって無理強いはできません。
また、バーチャル理事会・総会には、参加型、出席型、バーチャルオンリー型の大きく3種類ありますが、現行の管理規約ではこうした会議は開催できません。なので、それぞれに順応した規約改正が必要になります。
参加型とは、WEB上の参加者は、法律上出席として取り扱われないため、その場で議決権を行使することができず、事前に委任状または議決権行使書を提出しておく必要があり、会議を傍聴するだけの方式になります。
出席型とは、WEB上の出席者も会議に出席したものと取り扱われるため、その場で議決権を行使でき発言の機会も与えられる方式です。
バーチャルオンリー型は、リアルな会場を設けず、全てWEB上で会議を行う方式です。
ネット上に参加型を推奨している記事が目に付きますが、管理会社側の立場からみれば二重に手間が掛かるので積極的に勧めたりはしません。これも普及しない理由のひとつに挙げられます。
個人的に参加型はあまりお勧めしません。なぜなら、欠席者で傍聴される方は少ないでしょうし、会議の話し合いによって、最後の賛否の意思決定は変わることがあり、それが反映されない方式だからです。
私の住んでいるマンションでは、バーチャル理事会、バーチャル総会の実施について、一昨年の総会のときに話し合いが持たれましたが、反対意見が多かったので、従来通りリアルでやりましょうで終わりました(笑)。私はバーチャルは好きですが、会議に関して言えばリアル派です。直接会うことに意義がある的な…
リアルとかバーチャルについては、管理組合毎に考え方が異なると思いますが、結果はどうあれ、一度は話し合いを持たれることをお勧めします。
バーチャル理事会、バーチャル総会に纏わる記事は、ネット上にたくさん出ているので敢えて細かくは触れませんが、オンライン化については、今は実践というよりも検討する時期なのかも知れません。