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マンション大規模修繕

マンション大規模修繕|消費税値上げで更に…

2018年1月8日

 

築10年を超えているマンションでは、1回目もしくは2回目、マンションによっては3回目の大規模修繕の実施を控えている管理組合がいらっしゃると思う。

そこで気になるのが、2019年10月1日に予定されている消費税10%への引き上げである。税率8%から10%への引き上げにより、消費者は更に2%の負担が増えることになる。

マンション大規模修繕の検討から実施にあたっては、1年から2年程度の期間を要するのが一般的だが、既に消費税の増税を意識して検討に踏み切った管理組合もいらっしゃるだろう。

今回の消費税の増税のタイミングと建設業界の市況について考察してみると、これまでの増税とは全く状況が異なる。

2020年の東京オリンピックの煽りを受け、皆さんもご承知のとおり、近年建設費が高騰し続けている。消費税の値上げ率2%も大きな数字なのだが、建設費の高騰、こちらの方がマンション大規模修繕の工事金額に大きく影響をもたらす。

そこに前回同様の「駆け込み需要」が起これば、更に工事金額が高くなることが予想される。

建設事業に関わる人手(職人)不足は、以前からよく聞く話ではあるが、建築資材不足もそのうち生じるのではないかと心配の声も上がっている。

消費税の増税前には、マンションの大規模修繕に限らず「駆け込み需要」というのは必ず起こる。消費者心理にかなり影響を与えるのが増税である。

増税と建設費の高騰、そして需要過多は、消費者である管理組合にとっては望ましい状況とは言えない。そのような状況下でこれからマンション大規模修繕の検討を余儀なくされる。



マンション大規模修繕の在り方を問う

マンション大規模修繕というのは、工事項目の全てを一挙に行う必要が果たしてあるのだろうか。スケールメリットにより全体工事費が安くなる、生活への支障を考えたら同時期に行った方がいい、それなら理解はできる。

だが、増税、そして建設費の高騰、更に駆け込み需要で工事価格が高騰している状況下だとすれば、「全てを一挙に行う」、その必要性について今一度検討すべきではないだろうか。

マンション大規模修繕で大きな費用支出となるのが足場代である。足場を架けないと行えない工事は多々ある。外壁工事(下地補修工事)、屋上のパラペットの外側部分、バルコニー部分など、これらは大規模修繕の主要項目に該当する。

もしこれらを単独で行うとすれば、その度に足場を架けなければならないし、その費用はとてつもなく嵩む。だから足場を必要とする工事は、建物の修繕を行う際に合理的に一挙に行っている。それが大規模修繕と言われる所以でもある。

この足場を必要とする工事に便乗して様々な工事を行っている。これが今の大規模修繕の在り方だと思う。

これまで消費税が導入されてから、過去に2度に渡り増税されてきたわけだが、管理組合によっては、駆け込み需要=割高工事、それを見越して、敢えてそれに便乗しなかったマンションが存在する。

駆け込み需要後は、逆に工事が少なくなるから、供給過多により工事価格が下がるという発想である。この発想は、東京オリンピックが終わった後に十分に起こり得ることでもある。

それは多くの経済評論家、建設業界の有識者たちが懸念していることでもある。

建物の状態が悪ければ、早急に行う必要があるだろうが、そうでなければ、大規模修繕の中に全てを組み込む必要はないと思う。そのために大規模修繕を実施する前に、建物の劣化状況を把握するための建物診断(建物調査)は行われる。

現状支障は来たしていないもの、延命できるものは、工事価格が落ち着く時期に実施する、この選択肢も大規模修繕の検討事項に加えるべきだと思う。

面倒だから一挙に、これだけは避けなければいけない考え方だと思う。



見積書はこうして比較する

マンション大規模修繕の工事見積書は、全体的なもの以外にスポット(単独)で行う場合の見積書を事前に取り寄せた方がいい。その場合、それを外した全体的な見積書も必要になる。

例えば、屋上防水工事の見積金額は全体の見積もりの中に含まれているのだが、スポットで行う場合の見積書を別の業者から取り寄せる。別の業者から取り寄せるのは、同じ業者の場合だと、スポットで行う見積金額は一般的に高くなるからである。

なぜそのような面倒なことをするのか、それは前述の全体の中から外して、いつでも実施できる状況をつくるのが目的である。

意外と別の業者から見積書を取り寄せると安くなるケースが見受けられる。なぜこのようなことが起こるのか、それは大規模修繕の施工会社によって得意分野が違うからに他ならない。

塗装工事をメインにしている施工会社、防水工事をメインにしている施工会社が存在しているから、単独で見積書を取るとその違いが分かる。

塗装工事をメインにしている施工会社は、防水工事は別の業者に丸投げしている。だから間接費が原価に上乗せされ防水工事の価格は割高になる。防水工事をメインにしている施工会社が塗装工事を見積る場合も同じことが言える。(詳しくはこちら

ゼネコンなどの建設会社にこだわる管理組合であれば、その必要性はないと思うが、大規模修繕工事を事業主体にしている専門業者に発注される際は、価格の比較を行う上で必要になると思う。

スポットの見積書の方が安ければ、わざわざ全体工事費の中に組み込む必要はないだろうし、消費税の増税率2%以上の価格差がそこにあるとすれば、管理組合の都合時期にあわせてスポットで行えるという証にもなる。

それとは逆に、別の業者から取り寄せた見積書が全体工事費の見積金額よりも高ければ、何の迷いもなくそこに決めれる。

見積もりの取り寄せは、特殊なものを除けばほとんどが無償であり、スポットとの組み合わせによって全体工事費が安くできたりもする。

工事を行う前の納得、それが工事後の満足に繋がると思う。だからそれに費やす努力は無駄ではない。

これから管理組合にとって、厳しい状況下でのマンション大規模修繕時期を迎えることになるが、厳しい時期だからこそ、あの手、この手を考えてほしい。

 

 

 


 



-マンション大規模修繕

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