マンション管理に欠かせないもの、それは物事に対する「探究心」である。
探究心とは、物事の意義や本質などを探って見極めようとすること。
結果の事象があれば、そこには必ず原因がある。これは建物の不具合に限ったことではない。この世に存在する事象の多くは、何らかの原因というものが存在する。
この原因が分からなければ、抜本的な問題解決には至らない。そこで重要になるのが原因を知るための「探究心」である。
例えば建物の瑕疵問題
新築マンションには、引渡し後一定期間、建物や設備の不具合に対して、マンションデべロッパーが無償で保証するサービス(アフターサービス)がある。
しかしながら、建物に不具合が生じた際、所有者や管理組合に対して原因説明がなされないまま、勝手に手直し(補修)されるケースが見受けられる。
無償で直してもらえるのなら…
それで納得される方も中にはいらっしゃるかも知れないが、原因究明がいい加減だと、同じことが繰り返される。
私が管理会社時代に、築2年のマンションで外壁のタイルが剥離して落下する事故が起きた。幸い怪我人が出す大事には至らなかったが、そして1年後、別の箇所からタイルが剥離して落下した。
1回目の落下の際、マンションデべロッパーの対応に呆れた。原因調査、そして対応は施工会社任せ、タイルが剥離した原因も曖昧な状態で手直しが行われた。
そして1回目に張り替えた箇所のタイルが後に行われた建物の全面打診調査で浮き(剥離)が確認された。原因が曖昧だから不適切な手直しと化す。
このような不具合は、人身事故に繋がりかねない危険な事案である。1回目の事故の原因究明、これが徹底されていなかったから、同じことが二度も繰り返された。
私は1回目、そして2回目の事故の際に、マンションデべロッパーに対して強く抗議した。その後、マンションデべロッパーの内部圧力により、その系列会社であった管理会社を退職する破目に遭った(本当に笑えない)。
原因究明は必須の課題
何か事象が起きた際、必ずそこには原因がある。その原因を知ることが適切な対応へと繋がる。これがいい加減だと結果も同じことになる。
何かマンションで問題が起きた際は、原因を究明することが大切である。自らが知り、理解し、そして対応策を考える。
ここまでしないと前述の事故もそうだが、再発は防げない。
設備の故障も同じである。何が原因でそうなったのか、どこが壊れているのか、原因を詳しく知ることで、交換、もしくは部品交換の判断ができる。原因によっては無償で交換してくれるケースだって考えられる。
探究心、マンション管理には必要なことだと思う。