マンションには思わぬ落とし穴が存在する。災難というのは忘れた頃にやってくる。マンション内で起きる思わぬ事故、今回、これをテーマに語る。
バルコニーの締め出しに注意
私が管理会社に勤めていたときの話になるが、母親がバルコニーに締め出されるという事故が数件あった。特に高層マンションでこの事故は起きている。
聞いたことがあるかも知れないが、バルコニーで洗濯物を干しているとき、部屋の中にいる幼い子供が誤って窓の内鍵をかけてしまう、そして母親が締め出される。このような事故がマンションでは起きるのだ。
高層階ともなれば、笑い事ではすまされない。
バルコニーに締め出されると厄介だ。隣りとの隔て板を蹴破って、隣のバルコニーに移動することはできるが、不在であれば意味がない。
携帯電話を持っていれば外部と連絡が取れるが、持っていない場合、連絡の取りようがない。叫ぶしかないのだ。
私が連絡を受けた相手は、現地にいる管理員、近所の住人からだった。
マンションの住人さんがバルコニーで「助けて~、子供が中にいるの」って叫んでいる…
分譲マンションの場合、マンションの鍵は住人しか持っていない。だから最初にやるべきことは同居している家族に連絡を入れてみる。すぐに連絡が取れればいいが、こういう時に限って連絡が取れない。
連絡が取れない場合は、消防署のレスキュー隊を呼ぶしかない。私は過去に一度、消防レスキュー隊を呼んで、その住人(奥さん)からひどく怒られた経験を持つ。
近所の人がたくさん見ている中での救出劇…
救出後に奥さんからの一言、「あなたのせいで近所の笑いものになったわよ。」
まさかここまで言われるとは… かなりショックで凹んでしまった。
その後、ご主人からお礼の電話があったので救われたのだが…
消防レスキューの場合、部屋の中にいる子供を助けるためにバルコニーの窓ガラスを手持ちのハンマーで割って中に入る。当然ガラス代は住人負担となる。
最近の住戸の鍵は、ピッキング対策が施されているから、鍵屋を呼んでもすぐに解錠することはできない。この鍵の対応に関わる費用も住人負担となる。痛い出費である。
高層階、寒い冬ともなれば、バルコニーの締め出しは辛いものがある。
それと、ひとたび事故が起きれば、周りに迷惑を掛けることを忘れてはならない。
小さな子供のいる家庭では、バルコニーに出られる際は、住戸の鍵と携帯電話の二つは持っておいた方がいい。
他の事例として、ご主人が外出時にバルコニーにいる奥さんに気付かず、窓を締めるケースもあるようだ。
このような事故が起きないように各家庭で注意してほしい。
バルコニーに物は置かない
無くならないマンション転落事故、この事故のニュースを聞く度に胸が痛む。
バルコニーに踏み台となるような物は絶対に置かない。これしか方法はない。
幼い子供の尊い命がちょっとした不注意で失われる。本当にマンションにおける転落事故というのは多い。
少し目を離した隙に…
マンションはとても快適な住まいだ。だが危険も同時に持ち合わせている、このことを忘れてはならない。