最近の分譲マンションは、最初から全戸にインターネットが使用できるシステムが導入されている。
システムというより、ブロバイダーとの一括契約という言い方が正しい。
このブロバイダーは、マンションデべロッパーが指定するケースがほとんどであるが、このプロバイダーの中には、毎月の使用料の中から系列会社である管理会社にリベートを支払っている企業も存在する。
一括契約は、個別契約よりも使用料が安くなるというメリットがある。これが最初から導入されていれば、利用者側にとってコスト負担の面で有益であると言えよう。
だがしかし、管理会社側に渡るリベートがこの使用料の中に含まれているとしたら、果たして利用者は納得できるだろうか。
本当に馬鹿げている!
少し前の話になるが、某大手のプロバイダーが、インターネットの契約の斡旋料(リベート)を個人である私に支払う、そんな話を持ち掛けられたことがある。
更に話を聞くと、このリベートは企業ではなく、個人を対象に支払っていると聞いて更に驚いた。
そう管理会社の社員(個人)にこのリベートが支払われているということだ。紹介料という名目なのだろうが、もうここまでくれば世も末だと思った。
私はその業者に「うちの社員には一切リベートは支払うな!」と叱責したのだが、その時の呆れた顔、今でも忘れることはない。
ここまでくると何でもありの世界である!
このプロバイダーの支払うリベートはその時だけに発生する一時的なものになるが、冒頭で語った一括契約の場合は、毎月の使用料から一定額が継続的に管理会社へ支払われる。
総戸数×数百円=毎月のリベート額
このリベートは、導入してもらったマンションデべロッパーに対するお礼(見返り)である。それを系列会社である管理会社が受け取っている。しかも毎月の使用料から継続的にである。
管理会社が受け取る対価というのはそこにはない。
この使用料は、管理費から支払われるケースが多いのだが、支払う側も事実を知れば、納得はできまい。
全てのプロバイダーがこのようなリベートを払っているとは思えないが、私の知る限り、このようなことが現実として存在している。
プロバイダーが支払っているリベートは、契約に漕ぎつけるため、そして継続させるための便宜に他ならない。
プロバイダーの選択権は、当初はマンションデべロッパーにあるにしても、その後は管理組合側が持つことになる。不要なものを排除するためには契約先の見直しは欠かせないだろう。
ただし、プロバイダーとの契約解除にあたっては、「〇年間、本契約を解除することができない」、この約定になっているケースが多い。
逆に考えれば、その後は自由にブロバイダーを変更できるし、プロバイダーを変えなくても金額の見直しは行えることになる。もしそこにリベートが存在しているのなら、当然に値引き対象になり得る。
サービスを提供する側は、もっと利用者側の利益のことを何よりも優先すべきだと思う。実態を暴かれそれを説明できないのなら、もはやそれはビジネスとは言えまい。