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管理組合会計

管理組合の公金の使い方について

2017年10月21日

 

マンションの所有者が毎月支払っている管理費、修繕積立金、両者を足せば数万円というお金になるのだが、このお金の使い方について、どれくらいの所有者が関心を持たれているのだろうか。

マンション管理を行うために使われるお金であることは、皆さんご承知だと思うのだが、管理組合で徴収されたお金というのは特異性がある。

これは消費税などの税金と同じ性格を持っている。いわゆる公金という考え方だ。

公金とは、個人の所有ではなく、公の性質を持つ金銭である。管理組合も公の組織だから、手元に入れば公金になる。

管理費、修繕積立金の使い方というのは、公金の使い方と読みかえることができる。

これを前提に、管理組合のお金の使い方について語りたい。



管理組合のお金の使い方

各家庭に家計簿があるように、管理組合にもそれに似たものがある。それが決算書であり予算書である。

個人であれば、好きな時に好きな買い物ができるのだが、管理組合の場合はそうはいかない。

管理組合においては、原則として予算に計上しておかないとお金は使えない。この予算というのは、管理組合の総会で承認を得なければならない。公金だからこのような手続きが必要になる。

この予算は書面により作成される。これが予算書になる。初歩的な話になってしまうが、意外と理解されていない方が多い。

この予算書に記載されていないものについては、原則としてお金を使うことができない。この考え方を予算準拠という。

原則という言葉を使っているから例外というのがある。

国土交通省が雛型として作成しているマンション標準管理委託契約書の第8条にこのような記述がある。

第8条(緊急時の業務)
乙(管理会社)は、第3条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる災害又は事故等の事由により、甲(管理組合)のために、緊急に行う必要がある業務で、甲(管理組合)の承認を受ける時間的な余裕がないものについては、甲(管理組合)の承認を受けないで実施することができる。この場合において、乙(管理会社)は、速やかに、書面をもって、その業務の内容及びその実施に要した費用の額を甲(管理組合)に通知しなければならない。

一 地震、台風、突風、集中豪雨、落雷、雪、噴火、ひょう、あられ等

二 火災、漏水、破裂、爆発、物の飛来若しくは落下又は衝突、犯罪等

2  甲(管理組合)は、乙(管理会社)が前項の業務を遂行する上でやむを得ず支出した費用については、速やかに乙(管理会社)に支払わなければならない。ただし、乙(管理会社)の責めによる事故等の場合はこの限りでない。

上記の赤字部分の「やむを得ず支出した費用」、これが例外に該当する。予算には予備費という項目を設けているが、一般的にはこの予備費から支出されることになる。

ただし、その費用が予備費を超える場合には、場合によっては修繕積立金から取り崩すことになる。この場合、規約上、総会決議を要することになる。この規定は、マンション標準管理規約であれば第48条に記されている。

ここで問題が2つ生まれる。ひとつは、緊急時における総会開催には時間的余裕がない。二つ目は、管理会社に与えられた権限の内容である。

総会を開催するまでに最短でも5日は必要になる。この規定は、マンション標準管理規約であれば第43条第9項に記されている。

一方、管理会社に与えられている権限は、緊急時において、管理組合の承認を得ることなく実施できること。費用については実施後の報告となるから管理組合として何も言えない。

管理委託契約書と規約を照合すれば、矛盾という現実がそこにある。

確かに緊急時は対応が優先されるべきだと思うのだが、それがもし予想を超える費用だとしたら、その大きな費用を管理組合が負担することに抵抗を感じる。これはあくまで個人的な意見である。

私は元管理会社にいた人間だがら、この緊急時の費用がかなり割高であることを知っている。対応された業者の言い値に管理会社の利益を乗せて請求する。だから正直高い。確かに夜間対応など大変さはそこにあると思うが、ここぞとばかりに割高な費用を請求するのは如何なものか。

予期せぬ緊急時だからこそ、日頃の感謝を仕事で尽くす。これが良心ある管理会社だと思うのだが…

管理組合の中には、この緊急時の対応に掛かる費用に上限を設けるところもある。「予備費の範囲内とする」、「5万円を上限とする」など条件は様々である。

公金というのは、個人のお金とは違い、勝手に使えるわけではない。きちんとした手続きが必要になり、そこには適切な規定が必要になる。

 

 


 



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