大規模修繕

大規模修繕に関わる3つの保険|続編

2017年10月2日

 

マンションの大規模修繕に関わる保険は大きく3つある。

1.大規模修繕工事瑕疵保険
2.工事保険
3.傷害保険

いずれも大規模修繕を行う上で、管理組合が知るべき保険である。前回の続編になるが、今回、工事保険、傷害保険について語りたい。

前回の記事はこちら ☞ 大規模修繕工事瑕疵保険

 

 

工事保険

大規模修繕工事は、仮設足場を組んだり、屋上の防水工事など高所箇所での作業が発生する。工事現場においては、安全第一を掲げ作業を行っているのだが、事故が絶えることはない。

屋上、足場からの転落事故、高所箇所から物が落下するなどの事故が実際に起きている。これらはニュースや新聞などで見聞きしたことがあると思う。

普段快適に暮らしているマンションも、いざ大規模修繕工事が始まれば、少し意識を変える必要がある。工事関係者のみならず、住人も安全第一、この意識を持たなければならない。

車の交通事故は、一方の不注意で起きる。両者が互いに注意し合えば交通事故はもっと減るだろう。

それと同じで、工事を行う側、そこに住む側の両者が互いに注意し合えば事故の多くは防げるだろう。それが本当の意味での安全第一だと思う。

危険個所への立入り、特にお子さんには注意が必要である。住人立会の足場に上がっての検査も危険と隣り合わせであることを認識すべきである。

特に通行する場所においては、上からの落下物を防ぐ安全対策が必要である。建設現場では朝顔(アサガオ)という防護ネットを使用する。大規模修繕においても、通行箇所においては必要不可欠である。この防護ネットの存在を覚えておくといい。

これが朝顔 ↑



万一に備え、建設会社(施工会社)は工事保険に加入している。一般的には建設工事保険と言われている。

この工事保険にも色んな種類があり、補償内容、補償額など、加入している施工会社によって異なる。

施工会社が作成した大規模修繕のプレゼン資料の中に、工事保険の内容、補償額が記載されているケースが多い。

ひとたび事故が起きれば、その損害額は大きい。もし仮にその損害が補えなかったとしたら…

水面下では、紛争となり裁判まで発展するケースも見受けられる。被害者の立場を察すれば、私も同じことを行うに違いない。

施工会社によって工事保険の補償額に差異があることを管理組合は知っておくべきである。

工事保険はその企業の売上によって保険料が決まる。施工会社側にとってみれば、保険料は高額なコストといえる。補償額に差異が生じているのは、資力も然ることながら危機管理体制への意識(価値観)の違いに他ならない。

施工会社が加入する工事保険の中に、対人賠償、対物賠償というものがある。これは管理組合(住人)にとって深く関わることなので、最低でもこの2つの補償額の比較は行うべきだと思う。あくまでも個人的な意見である。

 

傷害保険

大規模修繕工事の中間検査、足場解体前の検査の際に、住人が足場に上ることがある。慣れない足場だから注意を怠ると転落事故も起こり得る。

私も足場には幾度も上がったが、なかなか慣れるものではない。上層階ともなれば突風に煽られる。過去に何度か背筋が凍る思いを経験した。

住人の意思で足場に上ることになるから、万一事故が発生した場合、建設会社が加入している工事保険では下りないし、管理組合が加入しているマンション総合保険も下りない。

なので、別の保険に加入する必要がある。それが傷害保険である。

この傷害保険は、施工会社が加入し負担されるケースもあれば、管理組合が加入されるケースもある。人数、年齢に制約があったりもする。

大規模修繕工事の検査時に住人が立ち会う場合、この傷害保険の加入については、事前に検討すべき課題となる。

管理組合が負担されるケースでは、事前承認、予算計上が必要になる。

大規模修繕の実施検討にあたっては、大規模修繕工事瑕疵保険、工事保険、傷害保険について同時に検討すべき課題となろう。

 


 

-大規模修繕

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