マンション管理士が管理会社を評価する。何を根拠に評価しているのだろう。私にはとても疑問に思える。
第三者による管理会社の評価というのは、管理組合の理事長、個々の所有者にとって、知りたい情報のひとつとなろう。だが、その評価について、管理組合をサポートする立場の者が口にすべきではない。評価には根拠がない、そこが疑問に感じる点だ。
ここでいう評価とは、管理会社の実名を挙げたり、その会社を恰も特定している表現(例えばAB社、日〇社など)を用いたり、個々の管理会社を評価することを意味する。
マンション管理士の発言に対し、多くの管理組合はその言葉を信用するだろう。それ故に発言には重みがある。
管理会社の外形的な判断だけで、マンション管理士が軽々に私的評価を口にする、そこが私には間違っているように思えてならない。
良いと評価をした管理会社が横領などの不正を犯すこともあり得る。表向きには立派な会社でも、内情はそれとは異なるのだ。横領などの不正、法律違反が絶えない状況下で、管理会社を評価することに対してリスクを感じない。そこに問題がある。
マンション管理には様々なリスクがある。リスクを軽減もしくは回避するためにマンション管理士は存在する。マンション管理士が自らリスクを生むようでは管理組合との信頼関係は築けまい。
大規模修繕の設計コンサルタントが施工会社を評価する、これも同じことが言える。
評価というのは、管理組合の意思で決めるべき問題である。その見極め方をサポートするのがマンション管理士の役割ではないのか。
具体的に社名を挙げ、マンション管理士が個々の管理会社を評価している記事を見る度にそのように感じる。
それでも評価をするのなら、正しい情報を正しく伝達すべきである。過去の行政処罰の履歴もそのひとつとなろう。評価というのはシビアに行う必要があるということだ。
これはあくまでも個人的な意見である。