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売買・賃貸

分譲マンション|賃貸に出す際に知っておくべきこと!続編

2017年9月4日

 

前回に続き、分譲マンションの賃貸に出される際のポイント、注意点について語る。

▶ 前回の記事

 

期間限定で貸す場合

例えば、3年間の条件付きで転勤になった場合、転勤期間となる3年間、人に住居を貸すケースも考えられる。特に住宅ローンなどの毎月の支払いがある方にとっては、マンションを貸すことで、転勤期間中、その賃料を住宅ローンなどの支払いに充当できる。

但し、貸す期間を限定する場合は、定期借家契約にすることが望まれる。賃貸借契約には大きく普通借家契約と定期借家契約の2つがある。

普通借家契約とは、一般的な賃貸借契約を指し、簡単に言えば借り手にとって有利な契約である。一方、定期借家契約は、平成12年3月1日に施行された制度で、貸し主に有利な契約となる。

この2つのポイントについて解説する。

▶ 普通借家契約

契約期間

契約期間は1年もしくは2年で設定されるケースが多い。契約期間を1年未満とした場合は、期間の定めのない契約になる。

契約更新

契約期間満了後に双方の解約の意向がなければ自動更新される。

借り主からの中途解約

借り主はいつでも契約を解除できる。一般的には1ヶ月前に解約予告を行うことになっている。

貸主からの解約

契約期間満了時に借り主が引き続き住むことを希望している場合には、貸主からの解約や契約期間終了時の更新の拒絶は、貸主に正当な事由(どうしてもそこに住まなければならないなど)がない限りできない。したがって、普通借家契約の契約期間は、貸主の事情と借り主の意向に左右されることになる。

ここでの注意は、転勤などの事情で再びその住居に住む、これも貸し主にとって正当な事由になるのだが、実務(事例)的には引越し費用、次の住居費などの立退料を借り主から請求され、貸し主がやむを得ず支払うケースが多い。貸し主側の解約の申し入れが容易ではない、これが普通借家契約である。

▶ 定期借家契約

契約期間

契約の更新がない契約となる。契約期間が終了した時点で確定的に契約が終了し、確実に明け渡しを受けることができる。契約期間は貸し主の都合で自由に定めることができる。

契約満了後、双方合意により再契約も可能となる。この場合、貸し主は、借り主に対し退去する旨の要求はでき、その場合、立退料を支払う必要はない。そこが普通借家契約と違うところであり、貸し主にとって最大のメリットと言える。

契約の締結方法

契約期間を確定的に定めた上で、公正証書等の書面によって契約することが望まれる。一般的には業界団体、公的機関から提供されている定期借家契約書の雛型を使用されるケースが多い。

契約書とは別にあらかじめ書面を交付して、契約の更新がなく、期間の満了とともに契約が終了することを借り主に説明しなければならない。

貸し主がこの説明を怠ったときは、その契約は定期借家としての効力を失いり、普通借家契約となる。

中途解約

契約期間中に、借り主に転勤、療養、親族の介護など、やむを得ない事情が発生し、その住宅に住み続けることが困難となった場合には、借り主から解約の申し入れができる。この場合、解約の申し入れの日から、1ヶ月が経過すれば契約が終了する。但し、この解約権が行使できるのは、床面積が200㎡未満の住宅に居住している借り主に限られる。

中途解約に関して個別に特約を結ぶことは可能である。

契約終了時

契約期間が1年以上の場合は、貸主は期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、借り主に契約が終了することを通知する必要がある。

▶ 2つの比較

定期借家契約と普通借家契約の2つの違いについては以下の通りだ。

定期借家契約 普通借家契約
1.契約方法 (1)公正証書等の書面による契約に限る
(2)さらに、「更新がなく、期間の満了により終了する」ことを契約書とは別に、あらかじめ書面を交付して説明しなければならない
書面でも口頭でもよい
2.更新の有無 期間満了により終了し、更新 されない 正当事由がない限り更新される
3.建物の賃貸借期間の上限 制限はない 2000年3月1日より前の契約 20年まで
2000年3月1日以降の契約  制限はない
4.期間を1年未満とする建物賃貸借契約の効力 1年未満の契約も可能 期間の定めのない賃貸借契約とみなされる
5.建物賃借料の増減に関する特約の効力 賃借料の増減は特約の定めに従う 特約にかかわらず、当事者は、賃借料の増減を請求できる
6.借り主からの中途解約の可否 (1)床面積が200㎡未満の居住用建物で、やむを得ない事情により、生活の本拠として使用することが困難となった 借り主からは、特約がなくても法律により、中途解約ができる
(2)上記(1)以外の場合は中途解約に関する特約があればその定めに従う
中途解約に関する特約があれば、その定めに従う

 



室内備品の取り扱いについて

住居を退去される際に、照明器具、カーテン、ブラインド、エアコンなどをそのまま付けられるケースがある。特にオーダーで作られた場合は、他に使用できないから始末に困る。だから設置したままの方が都合がいい。

 

カーテンやブラインドなどは、フローリングや畳を直射日光から防げるから、劣化の予防対策として有効的である。

だが、借り主がそれを使うとは限らない。自分で用意したカーテンを使用される方もいるだろう。その場合、大切な私物が紛失しないように、契約書に室内における備品を書き記す必要がある。

特に照明、エアコンなどの家電品は、故障することも考えられるから、修理や交換を誰が行うのか明確に定める必要がある。貸し主にとって有利な条件として、「備品はサービス品として設置、貸し主は修理・交換はしない」、これを特約に設けることで余計な出費は避けられる。

借り主にとって不利な特約に思えるが、消費者契約法は法人が対象であって、個人間の契約には適用されない。

 

管理組合の届け出は忘れずに!

転勤などで住居先が変わる場合、管理組合に届け出が必要になる。また、賃貸に出される場合は、借り主に関わる届け出を行う必要がある。いずれも管理組合毎に所定の手続きがあるだろうから、この2つの届け出は忘れないようにしておこう。

 

 


 



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