語り

管理会社を評価する前にまず管理組合を評価すべき!

2017年8月30日

 

マンション管理会社について調べる場合、きっと多くの方が「評価」「評判」「チェックポイント」などのキーワードを使って検索すると思う。

 

 

ネット上には、管理会社の評価に関する口コミなどの記事が多く掲載されている。マンション毎、そして住人毎にその良し悪しの判断が異なっている。

管理会社というのは、個々の管理組合、そして住人によって変わる体質を持つ。実にカメレオンという名がふさわしい。

なので、「管理会社の評価というのは、自分のマンションに当てはまらない」、これを理解しておくべきである。

分かりやすく言うと、顧客のご機嫌を取るのが上手という特質を持っている。だから、何も文句を言わない管理組合に対しては、言い方が悪いが手を抜く管理が行われている。



フロントマンは月に稼働できる時間には限りがある。担当するマンションが同一規模で10棟を持つとすれば、1つのマンションに割り当てられる時間は10分の1になるはずだが、実態は均等ではない。

 

主体性を持っている管理組合に時間を掛ける割合が高く、管理会社任せにしている管理組合への時間配分は少ない、これが実態であろう。結局は後者は後回しという不公平な管理が行われている。

ここでいう主体性とは、自分達のやるべきことを理解しており、管理会社を含めた業者に的確に指示が出せる管理組合を指す。

当然に管理組合のチェックが厳しいから、管理会社は手抜き業務は行えない。だから、管理会社にとって、他の管理組合よりも時間と手間が掛かる。だからといって管理委託料が高いわけではない。逆に管理委託料が安くて内容の濃いサービスが行われているという対価の矛盾がそこにあるのだ。

一方、文句を言わない管理会社任せの管理組合に対しては、手を抜く管理が行われている。先の時間制約があるから、どこかにそのしわ寄せがくる。それが管理会社任せの管理組合になるのだ。これはフロントマンに限らず、会計や設備の担当者も同じである。管理委託料は高いうえに、内容の薄いサービス、前述とは逆の対価の矛盾がそこにある。

 

管理組合の評価が先である

管理組合によって管理会社というのは変わる。変わらない管理会社もこの世に存在するが、当然に不評であり、結果として管理会社を変更させられている。これはデべロッパー系列の管理会社に多い。

管理会社の評価を知る前に、自分達の管理組合を見つめることが大切である。管理組合が他人依存症なら、損な結果しか得られない、これが現実なのだ。

管理組合を評価するのが先、これは是非知っておくべきことだと思う。

 

 


 

-語り

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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