管理会社に頼めば安心?
私は長らく管理会社で働いてきた。そして自ら管理会社を立ち上げた経験を持つ。
管理組合の所有者から「管理会社に頼めば安心」、この言葉に何度救われたことか。工事などを受注する際に総会、理事会の席で上がった言葉だ。
今だから言えることだが、その言葉を耳にするたびに私は冷や汗が出た。なぜか罪悪感に陥る自分、矛盾と葛藤する自分がそこにいた。
業界の裏側を知っているだけに「安心」という言葉を聞くと「矛盾」という言葉が脳裏に浮かんでくる。
信用してもらうことはとても有難いことだし、やりがいも感じる。だが管理会社の実態を知っているから、拭いきれない心苦しさがある。
これは管理会社で働いた経験のある者にしか分からないだろう。
安心の根底にあるもの
安心の言葉の根底には、「悪いことはしないだろう」この含みもある。このブログサイトで管理会社について多くを語っているが、その実情は期待に添えるものではない。
管理会社は営利事業者であり、管理組合と利益相反の関係にある。それが期待に添えない根拠となろう。
直接現場に携わるフロントマンがどんなに管理組合のことを思っても、会社の考え方はそれとは異なる。顧客の顔を見ずに売上・利益の追求にひた走る。
そこで「安心」を求めることにかなり無理があるように思える。ただ単に「管理会社だから安心」、もしそのように考えているのなら、それは大きな間違いである。
安心というのは、もっと奥の深いもののように私には思える。