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管理規約

区分所有法とマンション標準管理規約について

2017年8月24日

 

分譲マンションの法律といえば「区分所有法」である。この法律は一般的に「マンション法」とか「マンションの憲法」と謳われている法律である。昭和37年4月4日に民法の特別法としてこの区分所有法が制定された。

民法にはマンションに関わる多くの規定が存在するのだが、この民法よりも区分所有法が優先される。

区分所有法というのは、大枠の規定しか定められていないため、詳細の規定については個々の管理規約に定められている。これが区分所有法第30条1項の条文規定の主旨である。

平成14年に区分所有法が改正され、管理規約の制定にあたっての注意点が追文された。

区分所有法第30条3項

専有部分若しくは共用部分又は建物の敷地若しくは附属施設(建物の敷地又は附属施設に関する権利を含む。)につき、これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払った対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならない。

この条文の中で大切なところは赤字部分にある。

原始規約というのは、デべロッパー、当初の管理会社の手によって素案が作成される。これを販売承認方式により、購入者全員の合意を取り付け、そのマンションの正規の規約となる。

原始規約に関する記事はこちら

だが、この販売承認方式には落とし穴が存在する。それは、多くの購入者が管理規約に記載された内容を理解しないまま承認書にサインしているという点である。

管理規約はマンション毎に異なる。もっと言えば、作り手によって異なるのだ。管理規約によっては、業者都合の規約と化す。特に駐車場に関する規定は、デべロッパーの販売都合が垣間見れる。今は少ないが等価交換方式によるマンションの場合、特定所有者(地主)の利権を擁護する規約など、衡平さに欠ける規約も中には存在する。

それらの偏見を解消する目的で第30条3項の条文が新設されたのだ。これにより衡平でない規約は無効化される。

マンション標準管理規約は、国の機関が定めたマンション管理のガイドライン(指針)であり、区分所有者間の衡平が図られることを前提に作成されている。

区分所有法が改正されたり、社会情勢の変化などにより、このマンション標準管理規約は適宜改正されている。

マンション標準管理規約は、あくまで指針であり、絶対に準用すべきものではないが、衡平そして適法に作成されたものであるから、多くのマンションの管理規約がこれを準用している。



マンション標準管理規約が改正されても、管理組合に提案しない管理会社が存在する。無知も困るが、意図的に提案しないケースも見受けられる。管理組合にとって必要な情報を伝達する、それが管理会社に課せられた役割であり、存在意義がそこにある。それが出来ない管理会社なら存在する意味がなかろう。

中には管理会社の意見に押される理事会も多いのも事実だ。マンション標準管理規約の改正について、理事会に説明しても、管理会社に改正する気がなければ、そのように誘導される。

理事会は管理組合を代表すべき機関である。組合員全員の利害に関わることを理事会のみで判断されては困る。マンション標準規約の改正は意味あっての改正なのだから、総会の議題として取り上げるべきだ。

管理会社のために管理規約が存在するのではない。管理会社の都合に合せた管理規約であっては困る。管理組合のための管理規約であり、管理組合の都合でそれを決めなくてはならない。

この考え方を持つと、それまで気付かなかった改正すべき箇所が他にあることに気付く。デべロッパーや管理会社は法律の専門家ではないのだ。合法的な管理規約はマンションには必須であり、そのためにマンション標準管理規約がガイドラインとして存在している。

 

 


 



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