新築マンションを購入する際に、そのマンションの管理規約は既に存在している。正しくは、マンションデべロッパー(指定の管理会社)が作成した管理規約の素案が用意され、売買契約時に管理規約の素案について購入者全員が承認することで、そのマンションの管理規約が設定される。
マンション管理規約というのは、そのマンションの管理運営上のルール、区分所有者の権利・義務関係などが定められたとても重要な自治規範となる。ゆえに「最高自治規範」と謳われたりもする。
しかしながら、管理規約の中身を確認してみると、存在しない附属設備が記載されていたり、論理的な矛盾があったり、必要な定めが削除されていたり、現行の区分所有法に適合していなかったり、中には売主、管理会社にとって都合の良い規定になっているなど、内容が不十分ないし不完全なケースが見受けられる。
管理規約の内容については、素人では分かりづらいことが多いかも知れない。そこで参考になるのが国土交通省が作成している「マンション標準管理規約」である。
管理組合の最近の課題になっている民泊もそうだが、マンション標準管理規約は、社会情勢の変化に対応すべく適宜改定されている。それに区分所有法の改定がなされるとマンション標準管理規約もそれに合わせて改定される。歴史を辿れば過去に4度改定されている。
このマンション標準管理規約と自分のマンションの管理規約を比較することで、個々の違いが把握できるし、当初に作成された管理規約の問題点などが見えやすい。
本来なら、マンション標準管理規約との相違点について、説明書きがあると便利かつ親切だと思うが、マンション標準管理規約に法律的な強制力はないから、販売時にそこまで準備するマンションデべロッパーはいないだろう。
マンションの所有者の中には、この相違点をまとめた資料をご自分で作成される方がいらっしゃるのだが、同じひとりの所有者として感心させられる。
時間があれば是非チャレンジしてほしい(笑)。
今の管理会社が当初の管理規約の素案を作成されているのなら、その違いについて確認されるといい。できれば説明書きの方が分かりやすい。
意外と相違箇所が多いのではないだろうか。
管理会社が対応しないのなら、マンション管理士に依頼するという手はある。ただし、その場合、有償となるが、第三者の視点でアドバイスしてもらえる。
第三者の視点というのは、マンション管理には必要である。