いよいよ明日(2018年3月15日)から、住宅宿泊事業者の届出が開始される。
これにより、分譲マンションにおいても民泊が実施され得ることになるのだが、今日に至っても、民泊の是非について協議がなされていない管理組合が存在したりもする。
私の身近にいる知人に尋ねてみると意外とこの話し合いが持たれていない管理組合が多い。
住宅宿泊事業者の届け出により、当然に分譲マンションも宿泊施設の対象となるわけが、マンション管理規約に「住宅宿泊事業を営むことを禁止する」、この旨の規定がないケースや、少なくとも理事会で住宅宿泊事業を禁止する方針の決議がなされていない場合、そのマンションで住宅宿泊事業の実施が可能となり得る。
そこが明確になっていないとトラブルに発展することが十分に考えられる。
そのため、住宅宿泊事業の可否について、管理規約上明確化することが重要であり、管理組合の総会・理事会においてその方針を決議することが早急の課題となる。
私の住んでいるマンションは、今年1月に開催された臨時総会で民泊を禁止する方針を固め、管理規約の改正を行った。反対者が全く出ずに全員一致で決まったわけだが、総会でこの話し合いをすると自分が予想していた以上に出席者の皆さんの関心度は高かった。
まだ話し合いが持たれていない管理組合は早々にその方針を固める必要があろう。
民泊への対応状況
今年2018年2月27日に、一般社団法人マンション管理業協会から「協会会員社受託管理組合における民泊への対応状況調査結果」が報告された。
協会会員である管理会社(365社)を対象にした調査になるのだが、調査結果は以下のとおりである。
出典:一般社団法人マンション管理業協会 報告書面より抜粋
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この調査結果では、民泊の禁止方針が80.5%、容認方針が0.3%という数字になっているのだが、圧倒的に禁止方針が多いのが窺い知れる。
気になるのが「決議なし」と答えた19.1%の数字である。これはマンション管理業協会の会員が対象であり、協会会員以外の管理会社は全国に1,700社程度はあるから、実際のところ決議に至っていない管理組合はこの数字以上に存在するだろう。
この届出が開始され、今後におけるトラブルが心配になる。個人的には分譲マンションにおける民泊というのは、様々な問題を生む要因になるから断固反対である。
賃貸比率の高いマンションであったとしても、「住居」という視点では所有者も賃借人も何ら変わりはない。なので、賃貸に出されている非居住の所有者も無関心ではいられない。一時的な宿泊とは全く価値観が異なる。そこにトラブルが多く潜んでいる。
近年、外国人の観光客が増え続けている。民泊利用者の中には外国人もいるだろう。言葉の違い、文化の違い、管理規約が読めずにトラブルが起きたりもするだろう。
禁止方針が決議され、管理規約の改正がなされたとしても、闇民泊とかルールを守らない事業者も中にはいるだろうから、方針が決まったから安心ではなく、民泊に対する関心、そして警戒心は持ち続けなければなるまい。