久しぶりの投稿になります。
マンション管理会社の管理委託料について、人によっては「高い」って感じることがあると思います。感じ方は人それぞれですからね。
今年開催された我がマンションの総会で管理費の値上げの議案があり、総会の参加者はいつもの1.5倍くらいでした。
結果、賛成多数で承認されたわけですが、そこで出た参加者からの質問の中に、「前に住んでいたマンションと比較した場合、ここのマンションの管理委託料は高い、管理費を上げる前にそこを改善するのが先ではないか!」…
この質問をされた方は、最近マンションを購入された方で、この質問を機に値上げに反対する意見が続出しました。
我がマンションはここ数年で2割くらいかな、所有者が変更になっていて、今回総会に出席された方の半数は途中でマンションを購入された方でした。
この管理費の値上げの議案は7、8年前からの課題で、ここ数年はコロナ過ということもあり、先送りになった議案でしたから、ようやく総会での審議に至ったわけですが、過去の経緯を知らない所有者からの反対の意見が多くて、可決するまでに苦慮しました。
管理委託料が高い!って何を根拠に言われているのか? そこが重要なんですよ。
管理委託料って内訳と金額の根拠というのが大事で、今回管理会社に対して指摘されたのが事務管理料です。(特に事務管理料が高い!)
事務管理料というのは、別の記事にも書いていますが管理会社の会計とフロントの各担当者の経費が主でこの中に間接経費も含まれています。
前のマンションと比較して高いという発言が出た際に、前のマンションの総戸数を尋ねると、我がマンションよりも少ない戸数でした。
戸当りに換算してみると我がマンションの方が低く、そこで納得してもらえましたが、元管理会社にいた人間として、ついでにフロントマンの担当数と担当総戸数が重要なこともその方に伝えました。
本来なら管理会社が答えるべきことなんですが、とんちんかんなことしか言わないからここぞとばかりに代弁しました(笑)。
事務管理料は安いから良いという考え方はよくない。仮に戸当り1,000円とした場合、この費用には前述の会計の事務代行費用(会計担当者の経費)とフロントマンの給与が含まれます。
最低でも800戸程度は必要で、給与の高い管理会社ではもっと戸数は必要です。
1棟当たり50戸とした場合、最低でも16棟のマンションをフロントマンは担当することになります。
現在フロントマンの担当棟数を10棟程度とする管理会社が主流になっていますが、そう考えると事務管理料の金額がどの程度になるのか予想できます。
フロントマンの担当数が多くなると仕事が煩雑となり、文字通り雑な仕事に陥ります。
私の経験で言えば、戸数にもよりますが10棟でも多い方だと感じます。7から8棟程度でないと良いサービスなど期待できません。
管理会社は、他の受託業務においても収益が得られているのでトータルで考えると一概には言えませんが、数値的な目安にはなると思います。
また、一等地、名の知れたビルに本社や拠点事務所を構える場合、事務所経費も掛かりますからね。管理会社の与信に関わる経費は他にもたくさんあります。
他の記事にも書いていますが、管理委託料は値上げ傾向にあります。値下げを要求した後に管理会社から理事長宛に解約通知書が届いた、なんてことも実際に起きています。
マンション管理は自分たちでやるのは大変です。色んな考え方や意見を持たれた方が一つ屋根の下で共に暮らしていますからね。
近年、管理会社は人材不足に陥っています。ゆえに自分たちで出来ることは自分たちで行い、出来ない部分を管理会社にお願いする。こうした考え方を持つべきだと思います。
管理委託料が高いという前に管理組合としてやるべきことがあると思います。