自動ドアの保守点検は、法的な義務付けはありませんので保守契約を締結するか否かは管理組合の判断に委ねられます。
そこで素朴な疑問、自動ドアの保守契約って必要なの?
マンションの管理組合の総会でよくこの質問が出ます。少しでも参考になればと思い、自動ドアの保守契約の必要性、今回これをテーマに語らせていただきます。
自動ドアの保守契約の必要性について
自動ドアのメーカーといえば、ナブコドアと寺岡オートドアシステムの2社が代表格となり、保守点検は、そのメーカー系または独立系の2つの業者のいずれかが実施します。これはエレベーターと同様で、メーカー系よりも独立系の方が安価です。
保守点検の中身については各社ホームページで紹介していますのでここでは割愛しますが、重要なのは契約の中身の部分です。
保守契約のメリットは、故障時の修理費用が割安になる点です。例えば、故障時に技術員(メンテナンススタッフ)が現地へ出向き、そこで調整で改善すれば対応費は無償となります。
また、調整で改善されない場合は部品交換という流れになりますが、保守契約を締結していれば、この部品代が割引されます。例えば、10万円の部品代が7万円から8万円程度に下がります。つまり20%から30%程度安くなるということです。
また、契約先によっては、部品交換時の工賃・諸経費が無償となるといったメリットがあります。逆に考えると未契約の場合、故障時に割高な費用を支払うことになります。
具体的には、技術員が1回出動する度に2万円程度の費用が発生します。そこで調整で対応できない場合は、定価の部品代、そして工賃・諸経費が発生します。結果として割高な経費が嵩むことになります。
自動ドアの故障は、7年から8年を超えたあたりから発生しやすくなるので、故障を機に保守契約を結ぶ管理組合が多く、その動機付けとして保守業者から前述の提案がなされ、そこで保守契約の必要性を知り契約に至るわけです。
割高な修理費用を避けるために、本来なら故障する前に保守契約を結ぶことが望まれますが、前述の故障発生時期から鑑みれば、保守契約は5年目から6年目に結ぶ、これが得策かと思います。
自動ドアは容易に壊れるものではなく、かといって保守契約を結んでいるから故障が起きないというわけではありません。
マンションによっては、当初から年4回の保守契約を結んでいるケースを見受けますが、年間の保守料金が8万円程度と仮定すれば、5年間で40万円の経費が掛かります。その分を後の部品交換代に充当した方が費用対効果という観点から得策と言えます。
そこで保守点検は必要という声が多ければ、これを年2回に減らすことで、経費は約半分で済みます。点検回数が減ると1回当りの単価は上がる傾向にありますが、そこは業者との交渉になります。
保守契約の条件の中に最低年2回以上の点検回数が必要といった取り決めがなされていますが、年2回であっても年4回であっても、前述の修理費用の割引は適用されます。
なので、保守契約は年2回にして、10年を超えてから点検回数を状況により増やすといった考え方で良いように思えます。
この記事が読者にとって少しでも参考になれば幸甚です。