マンション管理会社は、今後淘汰されていくだろう。理由は大きく2つある。
1つは、少子高齢化により新築マンションが減少する。特に新築マンションの管理受注で成り立っている管理会社にとっては死活問題となろう。
そこで既存のマンションの管理受注をめぐる管理会社同士の競争がより一層激しくなる。弱きものは淘汰され、強きものだけが生き残る、そんな時代に変わっていくだろう。
もう1つは、コンサル系管理会社の存在である。管理会社の二極化という現象が起きている。二極化とは、より大きな企業はより大きく、機動力を武器に独自の管理サービスを提供する中小零細企業、後者はコンサル系管理会社とも呼べる。
このコンサル系管理会社が増えることにより、競争がより一層激しくなる。
この2つの企業形態が主流となり、何のカラーも打ち出せない中間企業は淘汰される。現在活発化しているM&Aの売り手がまさにこの中間企業である。
弱き企業は強き企業に買収される。今後、一層この動きが激しくなるだろう。
魅力ある企業なら売却はしない。管理会社の経営者が「会社を売却したい」、そんな話を最近よく耳にする。後継者がいないから管理会社を身売りする。そんな裏事情がこのマンション管理業界には存在している。
後継者がいないのは、将来性がないから引き継ぐ者がいないということだ。
私の持論になるが、いくら巨大化しようが、いくら分散して零細企業が誕生しようが、利益相反の関係にある以上、管理会社は信用されない。
結局は、管理会社をどこに変更しても同じことが繰り返される。変えても大きくは変わらない。もし変わるとすれば、管理委託料が大きく下がる。だが、そこには費用対効果が存在し、それに見合った管理しか行えないのが実情だ。
削減できるものはより削減し、サービスの質を上げることを実現できる企業しか最終的には生き残れない。これを実現するためには経営者の手腕が問われる。
デべロッパー、金融機関の天下りでは、この経営者は務まらない。
管理組合の内情を理解している者にしか、真のマンション管理サービスを提供することはできまい。
そこが欠けていれば、どんなに優秀な経営者でも長くは続くまい。