マンションをキャッシュで購入するにしても、住宅ローンを組んで購入するにしても、所有した時点で自分にとって貴重な財産となる。
その財産を守るのは誰なのか、改めて聞かれると「自分」と答えられる人がどれくらいいるだろう。
貴重な財産でありながら、守ることに関して感心や興味を持たない、これが常態化されているのだ。
守るとは、我が子を守る、そのように考えれば理解できよう。愛着を持って接し、病気をしないように健やかに育てる。マンションに置き換えるなら、感心を持って健全なマンション管理を行うになろう。
だがマンションの場合、この守るができていないのだ。そこには管理会社の存在が大きい。
自主管理の場合、誰も助けてはくれない、だから自分達でやるしかない。守る術を自発的に学んでいる。これがマンション管理の本来あるべき姿といえよう。
管理会社がいる、管理会社が守ってくれる、そのように多くの管理組合が錯覚しているのだ。管理会社は当事者ではないから、マンションを守ることなどできない。
管理会社ではマンションは守れない。私は管理会社時代にそれを悟った。管理会社と管理組合は価値観が大きく異なる。それが守れない理由と言える。
管理会社の価値観とは儲け主義にある。稼ぐための管理ということだ。そこには住人視点の考え方は存在しない。汚い表現になってしまうが「財産を守るどころか食い潰す」この言葉が相応しい。
そのような環境下で、それに気付かないままマンション管理が行われている。管理会社の存在が守る術を喪失させているのだ。
守る術を既に知っている管理組合は、きっとこれらの意味が理解できよう。
財産を守れるのは自分達しかいない。そのマンションの管理組合しか存在しないのだ。
それに気付けば、自分達のマンションを自分達で考える、この発想が生まれる。もっと良い方向にマンション管理を変えることができるのだ。
財産を守ることは大変である。それは子供の育児と同じである。だが共に愛着があるから苦難は乗り越えられる。