私たちの生活に欠かせないのが電気です。最近、電気料金の値上げのニュースを見聞きしますが、この値上げというのは、昨年4月からすでに起きています。その要因として考えられるのは、燃料費調整単価の値上げです。
燃料費調整単価とは、原油・LNG(液化天然ガス)・石炭の燃料価格の価格変動を電気料金に迅速に反映させるため、その変動に応じて、毎月自動的に電気料金を調整するために用いられる単価のことを指します。
俗にいう大手電力会社(東京電力、関西電力、中部電力など)と契約している場合、電気料金の明細書にこの燃料費調整単価が記載されています。また、電力の自由化により、新電力会社に切り替えている場合、該当エリアの大手電力会社と同じ料金に設定されているのが一般的です。
ただし、燃料費調整単価は、再生可能エネルギー発電促進賦課金とは異なり、法によりその単価が定まっている訳ではないため、独自の燃料費調整単価を設定する新電力会社もありますので補足しておきます。
上図でわかるとおり、全ての大手電力会社が右肩上がりの状態です。石炭・液化天然ガス価格の上昇などを受け、電気料金にその分が転嫁されているということです。
管理組合会計の収支の見直し
電気料金の値上げ以外にも、共用部保険料の値上げ、資材高騰による工事費の値上げなど、管理組合会計の収支の見直しは今や必須です。
当初決められた管理費、修繕積立金で足りるのか、そこをチェックする必要があります。
管理組合会計というのは、決算よりも予算の方が重要視されます。まさしく予算準拠という捉え方です。
予算を組む際に収支上の問題を知ることができ、そこで事前に対策を講じることができます。この繰り返しで健全な管理組合会計が行えます。
LED照明への切り替えは必須!
先日、日本経済新聞に「LED照明、初の値上がり局面へ 部材高騰が直撃」という見出しが出ていました。
これまでメーカーの相次ぐ新規参入もあってLED照明の販売価格は5年で2割ほど下がっていましたが、金属や樹脂など素材の高騰により、値上げを余儀なくされ、パナソニックでは今年4月から5%から10%の値上げ、従来の蛍光灯は30%の値上げになります。
マンション共用部照明のLED化はずいぶん前から進められていますが、従来の蛍光灯器具を使用しているマンションでは、こうした事情を考慮して、余計なお世話かも知れませんが、早期に検討されることをお薦めします。
今の世界情勢を踏まえれば、電気料金の値上げも「しょうがない」、そんな風に捉えてしまいがちですが、全てにおいて「しょうがない」という風潮が高まっているように思えます。
新車の納期の遅延も「しょうがない」のひとつとして挙げられます。
ですが、緊急時にそれが通用しては困りますよね。なので、これまで以上に予防管理意識を高め、前倒しの対策を講じるという考え方が必要になってきます。
壊れてもすぐに部品の調達(修理)ができない。だから壊れる前に対策を講じるという考え方です。ただし、これを逆手にとる業者も出てくるでしょう。そこに注意を要します。
電気料金の値上げにおいては、新電力会社への切り替えが対策のひとつに挙げられますが、近年、新電力会社の事業撤退、破綻などのニュースを見聞きします。
新電力会社への切り替えの検討にあたっては、契約内容とか経営状態の中身、万一破綻した場合の電力供給の在り方について事前のチェックは欠かせません。