語り

築50年のマンションから学んだこと!

2023年2月17日

 

築50年のマンションともなれば、かなり古びたイメージを抱いてしまいますが、計画的に大規模修繕を実施しているマンションは、築年数を感じさせない新鮮さがそこにあって、住まれている人も意外と若い世帯が集まっています。

私の自宅マンションの並びに築50年の分譲マンションがありますが、5年前に実施した大規模修繕工事のときに、窓枠のサッシ、玄関扉の更新がなされ、共用玄関のオートロック化、玄関周りの意匠変更、そして共用玄関前のスロープ(手摺り付)の設置を行っています。

そのマンションには私の古くからの友人が住んでいて、15年前に中古で購入し、当時は築35年のマンションでしたが、知人に購入した理由を聞くと、建替えはしないという管理組合の方針が気に入ったみたいです。

総戸数は92戸(住居のみ)、そのうちの3割が賃貸で、退去してもすぐに次の方が決まるという築50年とは思えないほどの人気ぶりです。売買もまた売りに出すと買い手がすぐに見つかり、セカンドハウスとして利用されている方以外の空室はないとのこと。

空き家が増える中で、そのマンションは希少価値に思えますが、更に驚いたのは子供連れの若い世帯が多いということです。

 

当初から住まれている方の多くは高齢になっていて、中には世代交代でお子さんが住まれていたり、中古で購入された方、賃貸で入居された方の多くは子供連れの若い世帯と聞きます。

年数的にみれば、売買価格とか賃料にお手頃感があって、若い世代側からみれば費用面で人気なのかも知れませんが、理由はそれだけではないように思えます。



マンションの高経年化により、役員の成り手不足に悩んでいる管理組合は多いです。そこで役員の押し付け合いになったりもしますが、若い世代が増えると素直に役員を引き受けてもらえるので(半強制的?)、管理組合の運営に活気が出ます。

前述の共用玄関のオートロック化や意匠変更は、若い理事さんが提案されたそうです。

そのマンションの前を通るたびに、斬新なデザインに見惚れてしまいます。だから若い世代の方に受け入れられ、若い世帯が増えているように思えます。

若者にはまだまだ先があるのでマンションの将来について真剣に考えてくれたりもします。

高齢になってくると現状維持に陥りやすく、若い世代にとってみれば、住みにくいマンションになっていたりもします。

時代遅れにならないように情報のアンテナを張る努力はしていますが、それを活かしたアイデアとか応用力は、今の若者には勝てません。本当に年は取りたくないですね(笑)。

三軒隣りにある築50年のマンションから、友人を通じて色んな事を学んでいます。

マンションもそこに住まう人もそうですが、高経年化による問題を解決するためには、色んな意味合いでの「若返り」は必要だと感じます。

人は若返ることはできませんが、考え方は自由に変えることができます。

 

 


 

-語り

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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