語り

緊急事態宣言に揺れる管理会社|見つめ直す良い機会だと思う!

2020年4月15日

 

今回の緊急事態宣言を受け、それぞれのマンション管理会社の対応方針が打ち出されていますが、そこで気になるのが不確定な表現になっている点です。

☞ 〇〇業務を中止させていただく場合がございます。
☞ 総会・理事会に弊社社員の参加を控えさせていただく場合がございます。

そこにはマンションにお住まいの方への感染拡大防止、そしてスタッフの安全確保、これらが根底にあると思われますが、前もっての事前通知といった感が窺えます。

これは、今後の状況次第で対応方針が変わることを意味します。なので、今後の管理会社の動向に注意を払う必要があります。

特に管理員業務は、マンションに住まれる皆さんにとって最も身近な業務になりますから、ある日突然休業ということになれば生活に支障を来すことは避けられません。

日常清掃が継続的に中止になれば快適性が損なわれたり、ゴミ置き場の開錠・施錠等に支障が生じたり、来訪者の対応が出来ず、防犯面においては手薄になります。



緊急事態宣言の対象となる7都府県では、在宅勤務を急遽導入する企業が増え、管理会社も同様の体制に移行しているものと思われます。

その場合、管理会社への電話が繋がりにくくなったり、管理組合の会計業務が滞り、状況によっては管理費等の口座振替が出来なくなったりもします。

また総会・理事会の開催にあたっては、フロント担当者が参加できずに、これまで総会や理事会などの議事進行などをフロント担当者に完全依存してきたマンションでは、きっと困惑されると思います。

なので、管理会社がこれまで行ってきた様々な業務が急に出来なくなることを想定した対応策について、管理組合自身で考える必要があると思います。

管理委託契約の満了時期の確認、状況によっては暫定契約の締結など、理事会としてやるべきことはたくさんあると思います。

管理会社から発せられた対応方針、これは一方通行の伝達にしか過ぎません。なので、状況が悪化しないうちに管理会社側と事前に話し合って、管理組合として出来ることを考える必要があると思います。

そしてマンションの所有者の皆さんや住民さんへの周知は欠かせません。

管理会社の対応方針にだけ目が向けられている感があり、管理組合としての対応方針が欠けているように思えます。

管理会社によって大きく左右される、言い方を変えれば管理会社によって振り回される、これが問題のように私には感じます。

先日の記事にも書いていますが、国や地方自治体、そして企業は、個々の事案に対して目が向けられていません。大枠でしか捉えない、そこに注意を要します。

いかに責任を回避するか、とりあえずの対策、それが後手後手に回っているように思えます。

書きたいことをそのまま書き綴りましたが、マンション管理の在り方について、見つめ直す良い機会だと思います。

 


 

-語り

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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