マンションの管理組合にとって、もっとも身近な存在であり、かつ頼れる存在になるのが「管理会社」です。しかしながら現実はどうでしょう。最も遠い存在、不信を抱く存在になっている感は否めません。
私はこれまで、マンション業界、そして建設業界にいたから、管理組合の本音(愚痴)を嫌というほど聞かされました。そこには不評が付き纏います。
管理会社に関するネット上の記事、そしてコミュニティ系口コミサイトにおいても管理会社に対する不評が垣間見れます。
特にコミュニティ系口コミサイトでは、同業者の書き込みが目に付きますが、他社への批判記事は、己の企業の内情を暴露しているように思えます。灯台下暗し、まさにこの言葉が当てはまります(笑)。
良い口コミは正直当てになりません。ですが、悪い口コミは意外と真意が語られています。個々の企業レベルではなく、マンション管理業界の全体像で捉えるとまんざら嘘の内容ではありません。これはあくまで個人的な意見です。
管理会社の新人研修とか教育指導において、顧客(管理組合)とのコミュニケーションの重要性を説かれますが、「コミュニケーション能力を身に付けなさい!」という前に「まず企業としてやるべきことがあるでしょ!」、私はそう感じます。
今回、管理会社の不評の原因について語らせていただきます。
素直さが足りない
私たちは子供の頃に、多くの失敗をし色んなことを学んできました。自転車に乗りたくて何度も転んで痛い思いをし、そしてようやく乗れるようになる。
鉄棒の逆上がりも知識を習得するための勉学も同じです。努力と結果は比例する、子供の頃に意識することなく信じた言葉なのかも知れません。
大人になっても勉学は必要です。学びは学生時代で終わるものではありません。大人になってからの方が学ぶことが多いです。
身近な人から教わる、これが学びの基本になります。ですが、子供の頃に出来たことが大人になって出来ない、それは「素直さ」が関係していると思います。
パナソニックを一代で築き上げた松下幸之助の有名な至言があります。
反省する人は、きっと成功するな。
本当に正しく反省する。
そうすると次に何をすべきか、
何をしたらいかんかということがきちんとわかるからな。
それで成長していくわけや、人間として。
けど、反省せんと、そういうことがわからへんからな。
同じことをするわけや。
間違いを繰り返すということやな。
この至言の中にある「正しく反省する」、ここがとても重要です。「正しく」という言葉は「素直さ」に置きかえることができます。失敗を素直に受け止め、その反省から色んなことを学び、これができる人は成長し続ける。二度と同じ失敗を繰り返さないために物事の本質を理解する。
松下幸之助のこの至言には、そんな意味が込められているように思えます。
子供の頃に色んなことを学び成長できたのは、ひとえにこの「素直さ」、それと「純粋さ」があったからだと思います。
これを今の管理会社に当てはめるとどうでしょう。素直さが足りない、個人的にそのように感じます。その結果が多くの不評という事実を生んでいます。もし一言で管理会社を例えるなら「横着」という言葉がふさわしい。これはマンションデべロッパーにも言えることです。
素直さが足りない、そして横着だから、管理会社の横領事件は未だに起こり続けています。要するにこれまで管理会社は正しく反省してこなかったから不評を生み続けているということです。
どんなに良いマンションを作っても、マンション管理がずさんだと顧客満足には結びつきません。特に管理会社(子)を持つデべロッパーは認識すべきところです。
好き勝手に書きましたが、素直さっていうのは生涯必要だと思います。