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管理会社と管理組合は利益相反関係!

2017年7月24日

 

このブログサイトで度々登場する言葉がある。それは「利益相反」という言葉である。

利益相反とは、一方の利益になると同時に、他方への不利益になる行為のことを意味する。

ビジネスというのは本来、互いに「Win‐Win」の関係でなければならない。だが、その常識論が管理組合と管理会社の関係では成り立たない。これは昔も今も変わっていない。

管理会社は売上至上主義、利益を上げることを第一とする考え方である。一方の管理組合は節約志向、最少費用で最大効果を望む考え方である。管理組合の考え方は全てがそうとも限らない。ブランド志向、高級志向的な考え方もある。



利益相反の事例

管理組合と管理会社の利益相反に該当するのは、建物の瑕疵の対応、そして請負契約である。

建物の瑕疵の対応

マンションデべロッパーは、新築マンションの販売に先駆け、管理会社を指定する。その指定先の多くが子会社である。

管理会社を持たないデべロッパーの場合、大手の独立系管理会社、知名度の高い管理会社を指定することが多い。

指定された管理会社にとってみれば、そのデべロッパーは大得意先となる。それ故にデべロッパーに対して頭が上がらない。

マンションに瑕疵や不具合が発生した場合、デべロッパーに対してものが言えない。既にこの段階で管理会社失格である。

管理組合よりもデべロッパーの方を優先する。瑕疵や不具合が発見されても、先にデべロッパーに報告がいく。管理組合に報告する前に、この瑕疵(不具合)の対応について、デべロッパー、施工会社、設計事務所、設備業者などの関係業者が集まり話し合いが持たれる。その際に責任の擦り付け合いが始まるのだ。

知らないのは管理組合だけである。このようなことが瑕疵や不具合の発見の度に起きている。

そして、一番お金の掛からない方法で手直しが行われる。最悪、真実が告げられないまま、封印されることもある。

多くの管理会社は指をくわえて待つだけだ。

私は曲がったことが大嫌いだから、デべロッパーと激しく衝突した(笑)。口論、罵声、私にとって日常的な出来事だ。今思えば怖いものを感じる。

デべロッパーに言っても話にならない時は、直接施工会社に掛け合った。そっちの方が対応が早い(笑)。

多くの管理会社がしがらみによってデべロッパーに意見が言えない。これは知っておくべきである。

管理組合を支援する立場にありながら、取引先を優先した行動をとる行為、これそこが利益相反と言えよう。

請負契約

管理組合から定期清掃、消防設備点検などの請負契約だけを受注しているのなら、ごく普通のビジネスであり、利益相反に固執することはあるまい。

問題は、管理組合の代理という立場、総会、理事会の運営などをサポートする立場、これらの委任契約がありながら、同時に請負契約も兼ねている。

管理組合の立場に立つ、それは中立的な立場と読みかえれる。支援者というのは、物販やサービス販売は自ら行うべきでない。なぜなら、利益相反に繋がるからだ。

それを管理会社は平然と行っている。しかも割高という更なる矛盾がそこにあったりもする。契約というのは互いの自由である。管理会社が管理組合と請負契約を結ぶのは違法ではない。

請負契約も適正価格であれば、それもありかも知れないが、実際には割高でかつ中身が伴っていないケースは否めない。

管理会社の利益になる一方で、管理組合にとって不利益になる行為は、大規模修繕工事を含めた請負契約などで多く見受けられる。

 


 

-管理会社, 管理組合

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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