決算報告書/その他添付書類について
決算報告に必要な書類として、前述の貸借対照表、収支報告書以外に、銀行口座の残高証明書の写し、監査報告書、月次推移表、勘定科目の内訳などが分かる帳票、収入明細書、支出明細書などが挙げられます。
銀行口座の残高証明書の写し
残高証明書とは、依頼者(管理組合)が指定した期日における銀行口座の預金残高を証明するために銀行側が発行する書類で、指定期日は期末時点(会計期間の終了日)になります。
残高証明書の原本は、監事による会計監査時に貸借対照表に記載された金額とこの原本に記載された預金残高が合致しているか照合します。
残高証明書の写しを決算報告書に添付します。各区分所有者は原本によるチェックはできないため、前述の原本との照合は監事に委ねられます。
月次推移表
月次推移表は、管理費会計、修繕積立金会計毎に作成され、会計期間における月毎の収支を推移表として纏めた書類になります。この推移表により、月毎のお金の動きが理解でき、電気料とか水道料の推移が一目で分かります。特に水道料の推移は漏水の発見などに役立ちます。
勘定科目の内訳などが分かる帳票
貸借対照表の科目で合算額が計上されている場合、内訳書がないと読み手側は理解できません。例えば、前述の「前払金/損害保険料」のケースが挙げられます。
損害保険料として200万円が計上されていますが、金額の根拠を知る上で内訳書が添付されていれば理解は深まります。この内訳書を「内訳明細書」といった表現を用いたりもしますが、読み手側にとって理解してもらうための工夫が必要です。
※当期を第20期と仮定した場合
前払金・・・・・50万円(第21期分の損害保険料)
前払金・・・・・50万円(第22期分の損害保険料)
前払金・・・・・50万円(第23期分の損害保険料)
前払金・・・・・50万円(第24期分の損害保険料)
前払金合計・・200万円
他に「未収金」についても、複数名、複数月の未収がある場合は内訳書は必要です。ただし、その場合、号室・氏名の取り扱いには注意が必要です。
号室・氏名の公表については、管理組合毎に考え方は異なると思いますが、名誉棄損、プライバシー侵害により訴訟に発展したり、中にはお子さんのいる家庭もあるでしょうから、個人的には号室・氏名は無記載でA氏、B氏の表記にすべきかと思います。(そこは管理組合の意思を尊重します。)
収入明細書・支出明細書
収支報告書の科目で明細が必要なものが幾つかあります。「雑収入」「雑費」「修繕費」「通信費」「備品消耗品費」「会議費」「支払手数料」、修繕積立金の支出科目の「各種工事」の明細は、詳細が掴めるので欠かせません。
その他、決算報告書に添付する資料として、財産目録、損害保険証券写し、各預金口座の残高証明書写し、借入金明細書などがあります。(説明は割愛させていただきます。)
以上、決算報告書の概要について、私見を交えながら記事にしましたが、すこぶる長くなりました。最後まで読んでいただきありがとうございました。
特に監事になられた方は、決算報告書のチェックがあるので予備知識は欠かせません。(よかったら読んでみてください。👇)
今回の記事が皆さんにとって少しでもお役に立てれば幸いです。