語り

マンション・賃貸共同住宅・戸建て住宅の違い

2017年7月23日

 

マンションというのは、ひとつの建物の中に複数の所有権が存在する。この区分所有という特殊な形態が、賃貸共同住宅、戸建て住宅とは大きく異なる特徴といえる。

住宅の集合体、これがマンションである。

マンションというのは、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号)によって、初めて定義付けされた言葉である。

この法律ができる前までは、マンションという言葉は、日本の不動産会社が勝手に名付けた造語(和製英語)であった。

 

賃貸共同住宅、戸建て住宅は、単独の所有者だから、建物の利用方法や維持保全はその所有者に委ねられる。一方、マンションでは、専有部分(個人財産)、共用部分・敷地(共有財産)があるため、他の住宅とは異なる所有形態になっている。

共用部分の管理は、区分所有者全員で構成する管理組合によって行われ、管理組合によって定められたルールを守って生活しなければならない。



マンション、賃貸共同住宅、戸建て住宅のそれぞれの違いは以下のようになる。

区分 構造・規模等 所有者 居住者 管理の主体 管理のルール
マンション 鉄筋・鉄骨鉄筋コンクリート造が主流
隣家とは壁・床・天井で接している
複数の区分所有者 区分所有者等 管理組合(共用部分、敷地)
区分所有者(専有部分)
管理規約による
賃貸共同住宅 木造、プレハブ、鉄筋・鉄骨鉄筋コンクリート造等
隣家とは壁・床・天井で接している
単独の所有者 賃借人等  原則賃貸人
(※1)
賃貸契約書による
戸建て住宅 木造、プレハブ造等
隣家とは空間がある
単独の所有者 所有者等  所有者  定め無し
(※2)

※1 ☞ 管球交換などの小修繕は賃借人が行う場合が多い。
※2 ☞ 戸建て住宅でもタウンハウスの場合は、管理規約が定められている場合が多い。

 

マンションは何かしら面倒そうで、戸建て住宅や賃貸住宅の方が気楽に思える。購入するなら戸建て住宅がいい、これが私の本音になるが、利便性を考えれば、戸建て住宅は不便な場所が多いし、利便性が高い場所では価格が高い。

というわけで、私は利便性、価格の安さを優先して、面倒なのは承知でマンションを購入した。そして愛着ある我が家に長らく住んでいる(笑)。

マンションの本当の良さというのは、実際に購入し、住んでみないと分からないことだと思う。

 


 

-語り

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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