防火管理者の設置義務
マンションは、延べ面積が500㎡以上、全体の収容人員が50人以上の建物において、防火管理者の選任が義務付けられている。
店舗などが含まれるマンションでは、不特定多数の人の出入りがある場合、30人以上の建物がこれに該当する。
マンションでは、居住者の中から防火管理者を選任することになっている。だが、マンションによっては、管理会社の社員や管理人が選任されたりもする。
居住者以外の者が選任されるのは、イレギュラーなケースである。消防署によって考え方が異なるようだ。防火管理者は居住者以外の者を認めない、これを徹底している消防署もあれば、管理会社の関係者であれば容認するケースも見受けられる。
だが、万一の災害における対応は、居住者が自覚をもって行うべきだと思うし、結局は自力で対応しなければならなくなる。熊本地震の被災者である知人からこの話を聞かされた。
だから防火管理者という職務は形骸化されては困るし、本来の役割からすれば、マンションの居住者自らが行うことが望まれる。
素人ではやれる業務には限界がある。おそらく多くの方がそのように感じているだろう。できない業務を明確にさせ、それに限っては管理会社などの専門業者に委ねる、この考え方で良いのではないか。
防火管理者の業務と役割
防火管理者が行う業務は、以下の項目となる。
▶ 消火、通報および避難訓練等の実施
▶ 消防用設備等の点検および整備
▶ 火気の使用および取扱に関する監督
▶ 避難または防火上必要な構造および設備の維持管理
▶ その他防火管理上必要な業務
防火管理者の役割は、火災の発生を未然に防止すること、万一火災が発生した場合、その被害を最小限に留めること、防災対策を日頃から講じておくことなどが挙げられる。
消防用設備の設置場所、使用方法の確認、避難経路の確認など事前に把握すべきことがある。
消防用設備の設置場所、使用方法の確認などは、管理会社もしくは消防設備点検業者から習得できるし、避難経路は消防訓練(避難訓練)によって習得できる。
防火管理者に就任された月に消防訓練の実施計画を立てれば、これらを就任時に習得することができる。
最寄りの消防署に声掛けをすれば、防災訓練の指導を行ってもらえる。ただし、都心部では対応しないところもある。
消防署によっては、地震体験車を保有しているところもあるから、有意義に活用してほしい。
出典:大和市役所