マンション管理会社は「デべロッパー系」と「独立系」の大きく2つに分かれます。デべロッパー系とは文字通りデべロッパーの系列に属する管理会社を指し、一方の独立系はデべロッパー系列に属さない管理会社のことを指します。
デべロッパー系管理会社は、営業せずに管理物件が受注できるので、管理委託料が高めに設定されています。逆に独立系管理会社は、デべロッパー系のように棚ぼたはありませんから、営業努力により安価な管理委託料を武器に管理物件の受注にこぎつけます。
独立系管理会社は管理委託料が安い、そのように感じている方が多いと思いますが、実際のところどうなのか、今回、独立系管理会社のコストについて語りたいと思います。
独立系管理会社の裏事情
独立系管理会社は、安価な管理委託料を武器に事業を行っていますが、管理会社を変更してもらうには、価格を下げないと受注できませんから、後発組の企業によくみられる価格で勝負するという一種の営業戦略が主流です。
独立系管理会社の管理委託料は安いと感じるのは、元を辿ればデべロッパー系管理会社の管理委託料が高く設定されているので、そこに割安感が生まれます。
デべロッパー系管理会社は、清掃業務、点検業務などの多くを外注で補っています。外注先の業者の業務費用(原価)に中間マージンが加わるから結局のところ割高な価格と化します。
独立系同士の価格競争ともなれば話は違ってきます。ダンピングとも思えるような安値を提示する管理会社が中には存在します。これが曲者です。
管理委託料を低く抑えると薄利、業務項目によっては赤字になったりもします。そこで、建物の修繕工事とか設備の交換工事などで薄利の穴埋めや赤字分を取り戻します。
一番目を引く管理委託料を安くして、他の業務で利益を上げる、簡単に言うとこの手法がよく用いられています。どこかで利益を生まないと企業は存続できませんからね。
ここで注意すべきは、安かろう悪かろうの論理がそこに潜んでいるということです。
管理会社の業務の多くは人によって行われます。企業の経費で大半を占めるのが人件費です。この人件費の削減は質の低下を意味します。
例を挙げれば、フロント担当者や会計担当者の一人当たりの仕事量を増やす、これにより人件費を削減することができます。そうなると各担当者は時間的余裕がなくなり、内容の薄い業務が生まれます。その場しのぎの対応であったり、放置したり、ミスをしたり、サービスの質は間違いなく下がります。
管理委託料を安くするということは、この質と連動することを是非知っておいてほしいです。
それとスポットで行われる修繕工事などにも注意を要します。最少人員で業務を行うため、手が回らないから下請け業者に任せっきりとか、清掃・点検業務にも言えることですが、安かろう悪かろうに陥ります。
コストが安い、それに飛びつくと後で痛い目に遭ったりもします。
管理会社を変更される際に、管理委託料のみならず多くの業務見積書を取り寄せ比較検討してみたり、業務の管理体制を確認してみることが成功に繋がると思います。