皆さん、防炎カーテンってご存知ですか?
防炎だから燃えないカーテン…
防炎カーテンとは
カーテンの素材が燃えにくく、防炎性能を高めたカーテンのことを指します。この防炎性能には、素材が難燃性であるもの(A)と、通常の生地を難燃剤につけて防炎加工したもの(B)があります。
(A)は洗濯をしても防炎性能が持続しますが、(B)は洗濯すると防炎性能が消失しますので、再度防炎処理が必要になります。現在市販されている防炎カーテンは(A)が多いようです。2種類あるので防炎カーテンを選ぶ際は、ラベルを確認するか、不明な場合は店員さんに確認しましょう。
<注記:ココ重要です!>
防炎カーテンは、全く燃えないカーテンではなく、燃えにくいカーテンです。通常のカーテンと比べて5~10分程度延焼を遅らせる効果があると言われています。その間に避難できたり、消火活動が行えたり、僅かな時間に思えるかも知れませんが火災現場では貴重な時間になります。特にマンションではベランダやバルコニーは緊急時の避難通路となり、その避難口にカーテンが設置されているのでその役割は大きいと言えます。防炎カーテンは、燃えにくい=延焼を遅らせる、ここが重要です。
防炎ラベルについて
防炎カーテンには、公益財団法人日本防炎協会が実施する「防炎性能基準試験」に合格した証となる「防炎ラベル」が付いています。
自宅のカーテンが防炎カーテンかどうかを知りたい場合は、カーテンの裏面を確認してみてください。防炎カーテンならそこに防炎ラベルが縫い付けてあります。
義務付けの対象となるマンション
消防法の規定により、高さ31mを超える高層建築物では、防炎カーテンの使用が義務付けられています。(マンションの階数に例えるとおよそ11階に相当します。)
前述の高層建築物に該当するマンションでは、階数に関係なく全ての住戸が防炎カーテンの使用の義務付けの対象になります。よく誤解されやすいので注意してください。
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▶ 防災の知識と実際/消防庁使用率が低いのが実情
防炎カーテンの使用義務とか防炎カーテンに関する法律(義務規定)の存在について、きっと多くの方が知らないと思います。
通常のカーテンは火災が起きたときに燃えやすい(危険)、だから防災対策としてこの義務規定が存在します。ですが、この周知がなされなければ意味を成しませんし、実情として。周知する人がいないから使用率が低いんですよね。
誰が説明すべきなの?
説明すべきは、そのマンションを販売する分譲会社(中古マンションの場合は仲介する不動産会社)です。そのマンションの構造によって防炎カーテンの使用の義務付けが課せられるとしたら説明するのは当然のことです。ですが、販売時に十分な説明がなされていないのが実情ではないでしょうか。
重要事項説明書の中に「専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約等の定め」という項目がありますが、そこには専有部分の用途やフローリング、楽器、ペットに関する制限が記されています。本来ならそこにカーテンの使用制限(防炎カーテンに限る)を入れるべきです。そうすることで前述の周知をここで行えます。
延焼を防ぐことはマンション全体にとって有益ですから、フローリング、楽器、ペットなどと同様にマンションの使用細則にも義務規定を入れておくと法律との整合性が図れますし、そこでも周知が行えます。
法律違反になるの?
義務付けの対象となるマンションで通常のカーテンが使用されると法律違反になります。おそらく発覚すれば消防機関から改善措置の命令が下されると思います。
防炎カーテンに変えてください!
消防機関による立入検査が行われた際に管理員室にも立入りますが、防炎カーテンの使用義務が課せられているマンションの場合、管理員室で使用されているカーテンに問題があるとすれば、個人宅の抜粋チェックの可能性も出てきます。意外と管理会社がこの件について無知だったりもします。
この防炎カーテンの使用義務規定について、意外と知らない方が多いので、今回記事に取り上げました。