水災は甚大な被害をもたらす
先日報道された北陸新幹線の車両廃車のニュースを見て驚愕としました。私だけでなく、きっと多くの方がこのニュースを見て驚かれたと思います。(詳しくはこちら👇)
ユーチューブ動画 出典:ANNnewsCH
令和元年台風19号により長野県の北陸新幹線の車両センターが浸水し、10編成120車両のうち8編成96車両が廃車、被害総額120億円にも及ぶ甚大な被害が生じています。
つい最近まで、台風慣れしていた私が情けなく感じます。被害の惨状が明らかになるにつれ、自然災害の脅威、命の大切さと家族の繋がり、防災対策の必要性を再認識させられます。
大雨が長く続けば、どのマンションでも浸水は起こり得ます。被害を想定した浸水対策を検討してみては如何でしょうか。そこで今回の記事が少しでも気付きやヒントになれば幸いです。
浸水は地域ごとに想定されている
皆さん、ハザードマップってご存知ですか?(こんな感じ👇)
過去に起きた浸水地域、大雨により想定される浸水地域をこのハザードマップによって知ることができます。ハザードマップには浸水、土砂災害、津波、道路防災情報などいくつか種類があるので目的に応じて選べます。
情報というのは知らないと意味を成しません。このハザードマップは市区町村のホームページで確認することができます。
前述の長野県の北陸新幹線の車両センターの場所をハザードマップで確認してみると、浸水が起こりやすい地域であることを知り得ます。事前に得られる情報ってとても重要です。是非とも有効活用してください。
JR東日本は事前に対策は講じれなかったのかな? 本当に悔やまれます。(ひとりごと…)
マンションの3つの浸水対策
1.情報収集
浸水対策でまず最初にやるべきことは情報収集です。前述のハザードマップや近所の人たちからも過去の浸水に関する情報は得られます。
マンションの周囲を目的をもって歩いてみると、普段気にならなかった河川や水路、地盤の高低差、雨水の侵入口などを目にすることができます。
マンションの建物の構造、敷地、そして付帯設備の設置場所を知ることで、浸水被害を想定できるかも知れません。
2.建物・設備の浸水対策
ハザードマップなどにより浸水が想定される地域では、地下ピット式の機械式駐車場や地階を有するマンションは警戒が必要です。電気室が浸水すれば断水や停電が生じ、エレベーター、トイレが使えず生活に支障を来します。実際にこうした事故は起きています。
エレベーターの籠(かご)が浸水すれば、復旧費用はかなり高額なものになります。なので、エレベーターは常時停止階を1階ではなく2階以上に設定するなど、特に大雨が予知できる場合は、事前に設定を変更することが望まれます。(エレベーター会社または管理会社に言えば無償で設定変更してもらえます。)
浸水対策として有効な商品として止水板があります。過去に被害を受けた地域の商業ビル(地階を有する建物)などでかなり設置されています。最近のニュースで報道されていましたが、この止水板は東京スカイツリータウンにも使用されています。
浸水対策として昔から用いられているのが土のうです。今は水で膨らむ吸水土のうが市販されています。吸水土のうは、防災備蓄品としてコンパクトに収納できるからマンションでは最適です。(吸水土のうの詳細についてはこちらの記事👇)
3.水災補償付きマンション保険への加入
管理組合向けのマンション総合保険はどれも同じではありません。意外と補償内容について知らない方が多いのではないでしょうか。
マンション総合保険では水災補償特約を付けることができます。ですが、この特約をセットにすると保険料が高くなります。それと床上浸水または地盤から45㎝以上の水害にしか適用されないため、一見するとハードルが高いように思えます。
最近の天災は、その発生頻度から万一ではなくなりました。特に浸水が想定される地域では、検討は必須と言えます。
想定外の水災って
私の管理会社時代の話になりますが、高台にあるマンションで、集中豪雨によりマンションに隣接する坂道から雨水が大量に入り込み、マンションの1階エントランスが浸水。住人さんの話によると、当時坂道がまるで川のような状態で、道路脇の大きな水路から水が大量に溢れ出ていたそうです。
エレベーターは常時停止階を2階に設定していたので大事には至りませんでしたが、エレベーターシャフトの地下ピットに溜まった雨水(泥水)の排水処理、エントランスホール内の床と壁の清掃が大変だったことを記憶しています。
高台のマンションで浸水とは想定外の出来事でした。
総会などで浸水被害を想定した対策についての話し合い、一度やってみるのも対策のひとつです。やれることからやってみる、これって大切なことだと思います。