「マンション管理は自主性を持つことが必要!」、よく耳にする言葉なのだが、この自主性とはどういうことなのか、今回これについて語る。
分譲マンションと賃貸マンションの違い
分譲マンションというのは自分の財産である。これは住戸のみならず共用部分も自分の財産となる。共用部分、建物の敷地はその住戸を所有する皆さんの共有財産となる。
賃貸マンションというのは他人の財産である。家賃を支払って他人の財産(住まい)を借りているに過ぎない。
両方の違いは、自分の財産、他人の財産、この違いが挙げられる。
賃貸マンションの場合は、住むのが目的であるから自主性という概念がそもそも存在しない。一方分譲マンションの場合はどうだろうか。同じ住む目的は同じでも、所有するという目的が他にある。
所有するということは、当然にその財産の管理が必要になってくる。これは賃貸マンションのワンオーナーも同じだ。
賃貸マンションのオーナーは、独断でマンション管理が行える。自分で管理する、管理会社に委託する、全て自己判断で行えるのだ。
分譲マンションの各所有者はどうだろうか。専有部分は自己判断で行える。そして共用部分、建物の敷地(共有財産)は、所有者全員で行うことになる。
その管理を行うには色んなことを決めなくてはならない。だから自主性というものが当然に生まれる。だが、分譲マンションの共有財産の管理にあたっては、この自主性が失われているのが実情である。
自主性はこうして失われる
そもそもマンションを購入したときに、マンションの管理は管理会社がやってくれるもの、そのように考えて購入されている方が多い。この段階で既に自主性は存在していない。
自主性を感じても、それが一部の所有者であれば、負担が増し、労力の格差に不満を抱いてしまう。やがては自主性が薄れていく。
自主性の低下はマナーの低下を招く
自分達のマンション、自分達の財産という意識が低いと結局は賃貸マンションと変わらない。ただ住むだけのマンションになってしまう。
賃貸マンションはマナーが悪い、だから分譲マンションを買った、私の知人にそんな考えでマンションを購入した者がいる。確かに賃貸マンションは分譲マンションに比べるとマナーの意識が低い。ゴミ出し日のルールは守らない、ゴミの分別はされていない、タバコのポイ捨てなど賃貸マンションではよくみかける光景だ。
だが、分譲マンションも他人事ではない。自分達の財産という考えが薄れるとマナー意識が低くなる。どうせ管理会社が掃除するだろう。管理人がやってくれる。他人がやってくれる、この考え方が間違っている。
本来自分達が行うべきことである。そう考えればマンションを汚す行為などできない。タバコのポイ捨もなくなるだろう。これも自主性と関連してくる。
自主性を持つことの必要性
管理会社にマンションの管理を委託している場合でも、自主性は持ち続けなければならない。賃貸で住む人も中にはいるだろうが、マナー遵守に対して示しがつかない。
マンションの管理が行き届いているから分譲マンションの賃貸というのは人気が高い。家賃も賃貸マンションに比べると高いのが実情だ。
もし自主性の低い分譲マンションだったらどうだろう。賃貸で借りている人は割に合わない家賃を支払うことになる。そうなると入居期間も短くなるだろう。そして貸し手である所有者は困るだろう。非居住のオーナーも他人事ではないのだ。
マンションを快適に安心して住まうために必要なのが自主性を持つということだ。この自主性の芽となるのが自分達のマンションにもっと関心を持つことである。