管理組合

管理組合の会計年度(決算月)は変更できる!

2018年6月3日

 

マンション管理組合は企業と同じ3月決算(会計年度:4月から翌年3月)が多い。一般的には会計年度終了後、2か月または3か月以内に通常総会が開催されるから、毎年5月、6月に通常総会が集中することになる。

管理会社の視点で考えると、この時期は1年で一番多忙期となる。そして、総会の準備に追われる日々がしばらく続く。総会が集中するとミスが生じたり、全てが遅れがちになったり、面倒な事を先送りにする傾向にある。

 

 

この時期は管理会社だけでなく、マンションの所有者の皆さんも何かと忙しい。お子さんのいらっしゃる家庭では、新学期が始まり、色んな行事と重なったり、精神的に疲れることが多いだろう。年度が変われば、勤め先の会社でも人事異動など職場が変化する時期なので、何かと苦労が増えるだろう。

 

 

総会開催月の5月は大型連休(ゴールデンウィーク)を挟むから、何かとスケジュールが立て込む。決算理事会を連休中に開催されるケースは少ないから、更にスケジュールが詰まってしまう。

3月決算を変えてほしい…

これは多くの管理会社が節に願っていることだと思うし、管理組合の役員の中には「なぜこの多忙期に総会」、なんて思われる方もいらっしゃるかも知れない。



敢えて多忙期に決算月を設ける必要はない。自分たちの忙しい時期に総会を開催する必要もない。そもそも、当初の決算月はマンションデべロッパーが決めているから、それに合わせる必要はない。

マンションデべロッパー(企業)の決算月が3月に集中しているから、新築マンションの引渡しを敢えてこの時期に設定している。だから管理組合の決算月もこの3月に集中しているということだ。

 

 

管理組合によっては、逆に役所の事業年度に合せて決算月を3月に変更しているケースも見受けられる。だから更に集中してしまう。

 

決算月は変更できる

決算月は変更できる。だが、管理規約や長期修繕計画の見直しなどが必要になったり、理事会や総会での話し合いなど面倒なことが増える。だから、管理会社は節に願っても自ら提案することはしないだろう。

個人的には、3月決算は変更した方が良いと思う。理由は「忙しい時期だから」、そこに行き着く。決算理事会は4月に開催されるからマンションによっては参加者が少ないし、管理会社が作成する資料(決算書など)に間違いが増えたり、問題が棚上げされたり、十分な議案が提起されないケースも生じるだろう。これは私の経験則によるものだ。

そこで一番問題なのが先送り…

なので、互いにとって、ゆとりのある時期に決算月を変更するのも状況によっては良い選択だと思う。

 


 

-管理組合

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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