自分たちのマンションの管理の在り方を決めるのは管理会社ではありません。そのマンションを購入された所有者の総意で決める、これが正しい解答かと思います。
ですが、この総意を得るのが難しい、これがマンション管理には存在します。そこでマンション(管理組合)の意思決定には多数決原理が用いられています。
この多数決原理というのは一見すると合理的な手法のように思えますが、それに至るまでの過程が大切です。これは私の理事長時代の経験、そして管理会社時代に培った経験則によるものです。
審議の原理、それを学ぶと過程が大切だということに気付きます。審議とは、その議題について、意見を出し合って慎重に検討すること、十分に検討することの意であります。
この過程を疎かにすると、多数決で物事が決まった後に異論の声が必ず出ます。自分たちの意見が正しく反映されていない、全てはそこに行き着きます。
なので、議論を出し尽くす、これって本当に大切なことだと思います。それによって全てとは言えませんが理解は深まります。
今回のテーマに掲げられた管理組合主導のマンション管理とは…
管理組合主導の対義語は管理会社主導になると思います。これはあくまで個人的な考え方ですが、管理組合主導の根幹になるのは、自分たちの意思ではないでしょうか。
先程の議論を出し尽くす、これも自分たちの意思であって、結局のところマンション管理の在り方に反映されます。
自分たちのマンションだから自分たちで決める、この考え方ってマンション管理には必要なんですよね。
第三者に求めるのは助言であって、決めるのは自分たちです。なので、そこには自分たちの意思とか決断が必要になります。
決断するのって本当に勇気が入ります。そこで多数決原理が用いられるわけで、考えてみれば便利な方法ですよね。前述の過程を忘れずにこの手法を用いれば、合理的な方法であると言えます。
管理組合主導って、言い換えれば自主性を持つということです。一方の管理会社主導とは、管理会社の意思に委ねる、そう受動的とか外発的という思考に陥りやすく、結局のところ他人任せ、無関心さを生みます。
いつもの如くくどい記事になってしまいましたが、管理組合主導のマンション管理とは、自分たちの意思で行う管理であって、他人が行うものではない。他人がそれを行う場合、自分たちの意思がそこになければならない。これが私の持論であります。
でも実際には、管理会社に助言された通りに物事が進んでいたり、十分に議論がなされないまま物事が決まる、そんなケースが多いのではないでしょうか。
他人とか第三者というのは、当事者ではありませんから、最後にどうなるか、そこは言わなくても理解できると思います。最後に頼りになるのは同じ立場にいる者です。
そこを考えれば、何が大切かが理解できると思います。管理組合主導の意はそこにあります。