マンション総合保険

マンションの漏水事故|保険のあれこれ!

2019年2月20日

 

マンションの漏水(水濡れ)事故というのは、どのマンションにも起こりうることです。時には加害者になったり、時には被害者になったり、マンションの居住者、そして所有者にとっては決して他人事ではありません。

マンションの住戸は縦横に連なっているため、ひとたび漏水事故が起これば、状況によっては被害がどんどん広がっていきます。なので、マンションの漏水というのは、発見後、早期に対処することが肝要です。

私の管理会社時代に多くの漏水事故の現場に立ち会いましたが、加害者と被害者の間に立ち、大変だった記憶しかありません。漏水の調査から復旧するまでに相当の時間が掛かりますし、お金も掛かります。そして何よりも加害者、被害者共に憂鬱になります。

漏水事故の原因で多いのは、給排水管からの漏水です。経年劣化によるものが大半ですが、その他にマンションの建設時における配管の施工不良(ボルトの緩み、接続箇所の施工不備)によるもの、屋上の防水層の亀裂によるもの、躯体のひび割れによるもの、サッシ廻りのコーキング材の劣化によるもの、住まれている方の不注意によるものなど、漏水原因は様々です。

今回、マンションの漏水事故が発生した際に活用できるマンションの保険について、実務的な話を交えて書き綴りたいと思います。



管理組合が加入している保険について

管理組合が加入している保険は、あくまで建物の共用部分を対象とした保険になります。なので、専有部分に該当するものは対象外となります。

ただし、個人賠償責任保険(特約)を全戸に付帯されているケースでは、例えば階下に被害が及んだ際に、その漏水原因が専有部分に起因する場合でも、その被害者宅の水濡れ損害を補償してくれます。

そもそも個人賠償責任保険というのは、日常生活で他人に対しての賠償が発生した際に補償してくれる保険です。漏水事故により他人に賠償責任が生じた際にこの保険が適用されます。

個人賠償責任保険が全戸に付帯されていなくても、個人が加入している火災保険とか財布の中に入っているクレジットカードに個人賠償責任保険が付帯されていれば、同様に補償してくれます。

なので、個人賠償責任保険の有無について、事前に確認された方が良いです。

個人賠償責任保険は、マンションには欠かせない保険だと思います。ただし、あくまで他人に対する賠償なので、個人の財物などの損害は対象外となります。そこは注意してください。

個人賠償責任保険に免責額が設定されているケースがあります。この免責額は保険会社が認定した損害額から差し引かれます。最近、漏水事故の増加で免責額を設けるケースが増えています。特に20年を超えたマンションに多く見られます。

この免責額は負担部分になりますので、管理組合が加入している個人賠償責任保険と個人が加入している個人賠償責任保険の免責額を比較し、低い方を利用する、これにより金銭的負担を軽減できます。個人で加入されている個人賠償責任保険は免責無しのケースが多いので、個人が賠償責任を負った場合、そちらを利用された方が良いです。

個人賠償責任保険に複数加入しても、原則としてひとつの保険会社しか保険金は下りませんから、条件の良い方の保険会社を利用することをお勧めします。

 

管理組合が加入している保険の特約の中に、水濡れ原因調査費用、施設賠償責任保険というものがあります。まず水濡れ調査費用ですが、水漏れ事故が起きた際に、その原因を特定するために調査に掛かった費用を補償してくれます。

隠ぺいされている配管は、状況によっては壁や床の一部を剥いで調査することがありますが、その場合、調査から原状回復までの費用を補償してくれます。

ただし、水濡れ調査費用には支払限度額が設けられています。保険商品で多いのが100万円まで、これは1年の契約期間内における限度額です。なので、この期間内に100万円を超える調査費用が掛かった場合、超過分は実費負担となります。

保険会社によっては、支払限度額を300万円まで増やせたり、1事故当り100万円といった条件を設けているところもあります。

保険更新の際に、この水濡れ調査費用の補償内容について確認してください。

次に施設賠償責任保険についてですが、これはマンションの共用部分に起因した賠償責任に関わる保険です。

例えば、共用の竪管からの漏水が生じた場合、造作の壁や床、建具、財物などが水濡れ被害に遭ったら、その損害を補償してくれます。

最近の傾向として、これまで保険金が支払われた事故内容が適用外になったという話を聞きます。例えば、屋上などの防水シートの亀裂が経年劣化と判断された場合、適用されないケースがあるので注意が必要です。

逆に適用されるケースでは、例えば台風時に強風によって防水シートが破損した、このケースでは適用されるようです。いずれにしても個々の保険約款に基づく保険会社の判断になりますので、事前に保険会社に確認してください。

 








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