語り

レオパレス21の施工不備問題から見えてくるもの!

2019年2月12日

 

レオパレス21と言えば、賃貸アパートで有名な大企業であります。

昨今のニュースで施工問題が大きく取り上げられ、賃貸アパートの所有者からは憤りの声、そして、そこに住まれている方たちの中には退去を余儀なくされ、平穏な暮らしが阻害されています。

安心できる住まいを提供する立場にありながら、逆に過剰な不安を与えてしまう、これは住宅事業者に絶対にあってはならないことだと思います。

私の息子は今年社会人2年目を迎え、会社の寮が一括借り上げのレオパレスです。今回の施工問題の対象物件なのかは調査中だと息子から聞きましたが、生活を脅かす今回の事件については決して他人事ではない、そんな心境でこれまでのニュースを見聞きしています。

私の自己紹介の記事にもありますが、マンション業界を初めとした住宅業界は「真実を語れない」、今回の施工問題にも言えることです。



レオパレス21の公表している時期が本当だとしたら、最初の施工不備は1996年ということになり、公になるまでの約23年間、関係者の誰ひとり気付かなかった、これは言い訳にしか映りません。

施工不備の件数からして一連の施工は組織的に行われたとしか思えません。

真相はこれから追及されることでしょう。

これまで公になった構造計算偽造の姉歯事件、横浜の杭打ちデータ偽造事件、そして今回の天井裏の界壁施工不良、外壁や断熱材、天井部分の施工での不備、これらは氷山の一角だと思います。

建物が完成してしまえば、施工不備、施工瑕疵は発見できない、そこを悪用する企業がもし実在するとすれば、本当に許せないことです。

レオパレス21の施工不備は、壁材の内側など建物完成後の確認では困難な箇所に集中しています。完成前の工事中の確認を写真のみで行うという現行の建築確認制度に問題があるように思えます。

写真はいくらでも偽造できます。企業に正義心とか使命感、倫理観がなければ、意味のない形式的な確認になります。

20年もの間、それを見抜けなかった国にも責任はあると思います。それ以上に施工不備を重ねた企業は闇に葬るしかありません。きちんと所有者、居住者に対して責任を果たした後で…

 


 

-語り

執筆者:

関連記事

3密を避ける?他人との距離を設ける?それを守れない人達…

5月7日に国会内で開かれた自民党の新型コロナウイルスの合同会議の映像を見て、私はすこぶる不快に感じました。子供たち、そして大人たちが必死になって3密を避ける努力をしているのに… &#x25 …

マンションの管理員室は誰のもの?

  マンションの管理員室は共用部分に該当する。中には専有部分として所有権の保存登記がなされ、管理会社の所有になっている特殊なケースもあるのだが、一般的には規約共用部分という扱いになっている。 …

消費税10%値上げ2019年10月から?

  過去に2回延期された消費税10%への引き上げだが、今年10月に開かれた衆議院選挙で自民党が圧勝し、消費税の値上げは2019年10月に決行されそうだが、さすがに3回目の延期はないと思う。で …

分譲マンション|人口減少でマンションはどう変わる!

  日本国内の住宅ストックは今や過剰とまで言われている。総務省統計局の住宅・土地統計調査によると2013年時点の空き家は全国で820万戸に及ぶ。この調査は5年毎に実施されているので来年201 …

マンションの良さってなんだろう?

  なぜマンションを選ぶの? 住まいの購入を検討されている方向けに「一戸建VSマンション」という記事がネット上にたくさん存在します。そして本もかなり出版されています。 その中にマンションのメ …




 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

 ブログ内検索
 カテゴリー