分譲マンション

マンションの二つの老い

2017年6月10日

 

分譲マンションが誕生したのは1953年、東京都住宅協会が供給した渋谷区の「宮益坂アパート」が最初で、民間では1956年に供給された東京都新宿区の「四谷コーポラス」が最初となる。

分譲マンションが誕生してから64年が経過し、宮益坂アパート、四谷コーポラスともに建替え協議が進められ、2019年に竣工予定になっている。

日本最古のマンションと言われてきた宮益坂アパートも長い年月を経て、マンションの寿命を迎えることになるのだが、建物も人生とよく似ているような気がしてならない。

そこに住んでいる人たちも建物と同様に老いていく。生活には欠かせない住まいと人生を共に生きている。

取り壊しの際は、涙を流す人もいると聞くが、暮らしの思い出が詰まった場所だから分かるような気がする。

私もそうだが、自分の住むマンションには愛着が湧く。賃貸などの仮住まいとは違い、マンションは我が子のようにも思える。



加速する世帯主の高齢化

国土交通省が5年毎に実施しているマンション総合調査によると、マンションの世帯主の年齢の比率は以下のように推移している。

  平成11年 平成15年 平成20年 平成25年
30歳未満 1.6% 1.2% 0.8% 0.2%
30歳代 19.2% 13.2% 11.9% 7.6%
40歳代 27.9% 25.8% 22.9% 18.9%
50歳代 25.1% 28.0% 24.1% 22.8%
60歳代 18.4% 21.5% 26.4% 31.1%
70歳以上 7.3% 10.2% 13.0% 18.9%
不明 0.5% 0.2% 0.9% 0.3%

60歳以上の割合が平成11年25.7%、平成15年31.7%、平成20年39.4%、平成25年50%、5年毎に1.2倍程度増加している。

平成25年の調査では60歳以上が全体の半数に達した。高齢化の波は、確実にマンションにも押し寄せている。

高齢者が住みやすいマンション創り、これからの時代には欠かせないものとなる。

マンションには二つの老いがある。お互いに長生きできるように健康管理には気を付けたい。

 


 

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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