分譲マンションが誕生したのは1953年、東京都住宅協会が供給した渋谷区の「宮益坂アパート」が最初で、民間では1956年に供給された東京都新宿区の「四谷コーポラス」が最初となる。
分譲マンションが誕生してから64年が経過し、宮益坂アパート、四谷コーポラスともに建替え協議が進められ、2019年に竣工予定になっている。
日本最古のマンションと言われてきた宮益坂アパートも長い年月を経て、マンションの寿命を迎えることになるのだが、建物も人生とよく似ているような気がしてならない。
そこに住んでいる人たちも建物と同様に老いていく。生活には欠かせない住まいと人生を共に生きている。
取り壊しの際は、涙を流す人もいると聞くが、暮らしの思い出が詰まった場所だから分かるような気がする。
私もそうだが、自分の住むマンションには愛着が湧く。賃貸などの仮住まいとは違い、マンションは我が子のようにも思える。
加速する世帯主の高齢化
国土交通省が5年毎に実施しているマンション総合調査によると、マンションの世帯主の年齢の比率は以下のように推移している。
平成11年 | 平成15年 | 平成20年 | 平成25年 | |
30歳未満 | 1.6% | 1.2% | 0.8% | 0.2% |
30歳代 | 19.2% | 13.2% | 11.9% | 7.6% |
40歳代 | 27.9% | 25.8% | 22.9% | 18.9% |
50歳代 | 25.1% | 28.0% | 24.1% | 22.8% |
60歳代 | 18.4% | 21.5% | 26.4% | 31.1% |
70歳以上 | 7.3% | 10.2% | 13.0% | 18.9% |
不明 | 0.5% | 0.2% | 0.9% | 0.3% |
60歳以上の割合が平成11年25.7%、平成15年31.7%、平成20年39.4%、平成25年50%、5年毎に1.2倍程度増加している。
平成25年の調査では60歳以上が全体の半数に達した。高齢化の波は、確実にマンションにも押し寄せている。
高齢者が住みやすいマンション創り、これからの時代には欠かせないものとなる。
マンションには二つの老いがある。お互いに長生きできるように健康管理には気を付けたい。