消防用ホースが設置されているマンションでは、設置(製造年月)後10年を経過したものについて、消防法により3年毎の耐圧性能試験の実施が義務づけられています。
耐圧性能試験とは、ホースの端末部に所定の水圧をかけて漏水しないことを確認する試験のことを指します。
消防用ホースは10年を経過すると破断するリスクが徐々に高まります。耐圧性能試験を実施する意義はそこにあって、実際に火災が発生した際に正常なホースが使用できるように定期に試験を行い、不具合があればホースの交換が義務付けられています。
そこで消防用ホースを新しいものに交換すれば、耐圧性能試験が10年間免除されることになります。この免除については、管理組合の皆様には是非知っておいてほしいと思います。意外と委託先の管理会社の関係者が知らないってこともあります。
費用対効果は検討すべき
マンションによっては、耐圧性能試験を実施する前に全ての消防用ホースを交換した方がコストを抑えられるケースがあります。
例えば、全てのホースを交換する費用と耐圧性能試験の1回当りの費用を比較してみると、耐圧性能試験の方が安くつきますが、これを10年間のスパンで考えると、全てのホースを交換する費用と耐圧性能試験3回分の費用を比較することになりますので、結果としてほとんど変わらない、費用次第ではホース交換の方が安くつくケースがあります。
試験の結果、不合格になった場合、試験費用とホース交換費用が二重に掛かるため、最初から新しいものに交換すればよかった、そんな後悔がそこに生まれることもあるでしょうし、定期に新しいものに交換しておく、その備えも安全性を高める上で必要なことかも知れません。
このように費用対効果を検討することで、色んなメリットが見い出せます。なので、面倒でも比較検討はすべきかと思います。
前述の「費用次第」という言葉を用いたのは、試験費用、ホース交換費用は業者毎に大きく異なったりもします。なので、複数の業者から見積りを取り寄せ、適正価格を知ることが必要です。それをベースに費用対効果を検討することをお勧めします。