マンションにおける水漏れ事故は後を絶たない。
私の住んでいるマンションは今年で22年目を迎えますが、過去に何度も漏水事故が発生しています。新築当初に給水管の接合部分の施工不良が原因で漏水、給湯器からの漏水、ユニットバスからの漏水、キッチンのシンクのオーバーフローによる漏水、最近では給排水管の経年劣化による漏水事故が頻発しています。
マンションによっては、屋上の防水不良による雨漏り、建物のクラック(屋上、外壁面)からの雨漏りが事例として見受けられます。
築20年を超えるマンションでは、給排水管に起因する漏水事故の発生率が高まります。
水漏れの原因は大きく2つに分けられます。ひとつは経年劣化などの自然的なもの、もうひとつは施工不良や使用上の不注意などによる人為的なものです。
経年劣化による自然的なもの、これに起因する水漏れを防ぐには、予防意識は欠かせません。詳しくはこちら👇
▶ マンションの給排水管のメンテナンスは計画性と中身が大切!
一方の人為的な水漏れ事故については、施工不良を除き、入居者が普段生活する中で水漏れの事例を知ることでその多くは防げると思います。
今回、意外と多い人為的な水漏れ事故の事例をひとつ取り上げたいと思います。
新築時に発生する水漏れの多くは施工不良によるものですが、入居時にキッチンや洗面台のシンクの排水口が塞がっている状態(写真➊)で、メーターボックス内にある給水バルブを開放(写真❷)し、そのまま外出する、そこで住戸内の水栓が開放状態(写真➌)になっていると当然給水口から水が出てシンクからオーバーフローして水漏れが起こります。
写真➊
写真➋
写真➌
新築マンションの引渡し時に給水バルブを閉めた状態にしているケースでこの水漏れは起きやすく、分譲会社や施工会社が誤って住戸内にある水栓を開放した状態で引渡されることも稀に見受けられます。
これは中古マンションにも言えることです。
なので、メーターボックス内にある給水バルブを入居者が開放する際、住戸内にある水栓が全て閉まっているか確認する必要があります。そして給水バルブ開放後において、住戸内の水栓のチェックは欠かせません。
これは入居後も同じで、長期間外出される際に人によっては給水バルブを閉めることもあるでしょう。帰宅後、水が出ない、そこで給水バルブを閉めたことに気付きバルブを開放する、そこでそのまま外出されると先程と同じ事が起こり得ます。
4年前に私の住んでいるマンションでこれが原因で4つの住戸が被害に遭う漏水事故が発生しました。私の住戸も被害に遭ったうちのひとつです(笑)。
原因箇所を特定するまで半日以上掛かり、相当量の水が下の階へと流れました。加害者宅の給水バルブを閉め、ようやく水は止まりましたが…
私の自宅(住戸)は加害者宅の真下の住戸の隣りに位置します。事故が起きたその日は、水漏れの形跡はなく、その翌日にダイニングの隅みのクロスが膨れ上がり私の家内がその異変に気付きました。私の自宅は天井と壁の一部のクロスの張替えで済みましたが、真下の住戸の被害は大きく、家財道具と床が水浸しになり、その被害は下の階にまで及びました。
加害者側の保険で全て対応することになりましたが、かなりの被害額になったと思います。第三者に対する原状回復や家財などの賠償は、個人賠償責任保険に加入していればそこから保険金が下ります。ただし、加害者の自宅の原状回復費については、当然この保険では下りません。
マンションは縦横に連なっていますので、ひとたび水漏れ事故が起きるととても厄介です。
マンションの水漏れ対策は「予防意識」が必要不可欠です。このような事故が起こり得るので注意してほしいですね。