マンション管理

マンション管理|駐車場の借り手が減れば赤字の危険性!

2017年6月7日

 

マンション管理組合の収入は管理費、修繕積立金、駐車場使用料、その他専用使用料が一般的だ。多くの管理組合では、管理費会計(一般会計)に駐車場使用料が充当されている。

本来、管理費というのは、マンションの日常の維持管理に充てるために徴収されるお金である。定期的に行われる清掃業務、消防設備点検、軽微な修繕費用がこの維持管理に該当する。

駐車場使用料は、その駐車場の維持管理に充てるために徴収されるお金だが、そこで余ったお金は、修繕積立金会計(特別会計)に繰り入れ、修繕積立金として積み立てられる。これは、国土交通省が作成しているマンション標準管理規約にも規定されていることだ。

マンション標準管理規約第29条(使用料)
駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。

だが、駐車場使用料は管理費会計に充当され、他の用途に使われているのが実情として多い。厳密に言えば、管理規約に反するということになる。



管理費会計の主な収入源は管理費と駐車場使用料である。ここで問題なのが、もし駐車場の借り手が減った場合、管理費会計が赤字に転じることが起こり得るということだ。

 

 

管理費とは違い、駐車場使用料は、駐車場の需要によって変動する収入となる。将来、車を手放す方が増えれば、駐車場に空きが生じ、駐車場使用料が減ることを理解しておくべきだ。

管理費会計の収支を例を挙げて説明する。

管理費600万円
駐車場使用料600万円
管理費会計剰余金150万円
管理費会計収入1,200万円
管理費会計支出1,200万円
※上記は年間の収入。ここではその他の使用料は考慮しない。

駐車場が年間100%稼働で600万円として考えた場合、剰余金が150万円生まれる。ところが稼働率75%(駐車場使用料の年間収入450万円)を下回れば赤字に転じる。

管理費会計において、駐車場使用料の充当率(依存率)が高いマンションでは赤字に転じることがある。これを是非知っておいてほしい。

自分達の住んでいるマンションの駐車場の稼働率が何%を下回れば、管理費会計が赤字に転じるのか、時間があれば一度計算してみるといい。この計算は管理会社に依頼すれば算定してもらえるはずだ。

これは、マンション販売時点に問題がある。このような収支予算がスタート段階で組まれている、これこそが間違いなのだ。規約違反もスタート段階から生じている。矛盾だらけのマンション販売、今もなお続いている。

これを正常化させるのは本当に大変なことだ。管理規約通りに駐車場使用料を修繕積立金会計に繰り入れると管理費会計が大きな赤字になってしまう。どうしてこのような苦労を管理組合がしなければいけないのか、本当に腹立たしく感じる。

管理費支出の見直しを含め、全面的な見直しを行うしか手立てはない。必要によっては管理規約を実情に沿った内容に変更する必要もあろう。

 








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