昨日、私の知人(とあるマンションの理事長)からこんな相談を受けた。
今売りに出されている住戸の所有者(不動産会社)から、「1階の雨樋に取り付けてあった小型キーボックスが盗まれた」との連絡が管理員経由で知人に入り、管理組合としてどう対応すればよいのかという相談内容だった。
小型キーボックスはこんなやつ👇
話を聞くと管理組合に相談もなく、勝手に取り付けたと聞き、それは「自己責任でしょ」、その言葉しか見当たらない。許可も得ずに「私物を盗まれた」という話を管理員にすること自体が筋違いな話である。
本来なら「鍵が盗まれて紛失しました。どうしたらいいですか?」になると思うのだが…
勝手に取り付けておきながら「防犯カメラの映像を確認したい」、そんな依頼があったようだが、その不動産会社が警察に盗難の被害届けを出して、その警察から映像確認の要請があれば、管理組合として対応の余地はあるだろう。
そんな話を知人と交わしたが、敢えてそれ以上は語らなかった。被害者は不動産会社だけではない。その先には大きな問題がある。今回それについて語りたい。
鍵の紛失は周りに迷惑を掛ける
小型キーボックスの中にはその住戸の鍵が入っている。オートロック式のマンションでは、盗んだ者がマンション館内に立ち入る危険性がある。盗んだ者…そこが怖い。
住戸の鍵は、同じものであれば自己判断で交換はできる。だが、オートロックの鍵は住戸の鍵と連動しているから、オートロックの錠前を交換すれば全住戸に鍵を配る必要が出てくるし、居住者は鍵を二本持たなければならなくなる。それに抵抗を感じる人は多い。
そこで全住戸の錠前を交換するとなれば住戸数によっては莫大な費用になるだろう。鍵を紛失するというのは、全住戸の方々に迷惑を及ぼすことになる。
そこを知っていれば、「鍵が盗まれた」なんて被害者的な発言は普通出来ないだろう。ましてや大切な財産を取り扱う不動産会社という立場なのに、全く危機管理ができていない。
マンションの片隅に付けられた小型キーボックスを見る度にそのように感じる。
オートロック以外のマンションも危ない
オートロックの無いマンションでも、空き住戸からベランダ・バルコニー伝いに他の住戸に侵入することができる。実際にその手の犯罪は起きている。今回みたいに敷地内で鍵が盗まれたとすれば、マンションが特定されるわけだから危険度は増すだろう。
マンションの空き巣はベランダ・バルコニーからの侵入が多いと聞くから、特に今回のケースでは、注意が必要になるだろう。
鍵の紛失は当人だけの問題ではない。そこは一戸建てとは違い、マンション特有の問題点(欠点)となり得る。
小さな子供に住戸の鍵を持たせる際は、マンション名とか号室の書かれた札やシールなどは禁物である。
鍵の紛失、その先にある重大さを知れば、鍵の保管・管理の大切さが窺い知れるだろう。
<追記>
少し前の記事になりますが、鍵の紛失時の対応に際して、とても参考になる記事がありますのでリンクを貼っておきます。
<関連記事>
▶ マンションでよく見かける小型キーボックス|設置の良し悪しについて