語り

マンション内のこんなトラブルに悩まされた!

2018年2月20日

 

私の管理会社時代の話になるのだが、マンション内で起きたトラブルで日々頭を抱えることが多かった。管理組合の知らないところで管理会社は何かと苦労をしている(笑)。

 

 

マンションのトラブルで多いのが、騒音問題、ペット問題、駐車場や駐輪場の使用に関わる問題、隣人とのトラブルなどが挙げられる。

個人間の問題であれば、当事者同士が話し合って解決するのが望ましい姿だと思うが、互いに同じ住人として言いづらい、そこで管理会社に相談されるケースが多い。

例えば、駐車している自分の車に傷が付いている。隣の車をみたら同じ位置に傷が付いている…(これは個人間の問題である)

個人間の問題にどこまで管理会社が介入していいのか、本当に悩むことが多かった。

管理会社というのは、管理組合と管理委託契約を交わしている一方で、その団体組織の一員である個々の所有者の皆さんも当然に顧客となる。

だから、所有者の皆さんからの相談には誠実に対応したいという気持ちは、きっとどの管理会社も持たれているだろう。

私が当時悩んだのは、意見を言われる方の主張は十分理解できるのだが、その相手方のことを考えてしまうから、そこが悩みの種になる。管理組合に関わることであれば、悩むことは少ないが、個人間の問題は特にしんどい。

「それは個人間の問題ですから」、なんてきっぱり断わることができればいいが、そこが管理会社の苦悩となろう。



マンションの居住者から生活音に纏わる悩みについて、多くの場合、管理会社に相談されるのではないだろうか。中には「私だと気付かれないように対処してほしい」、このようなお願いをされる方もいるだろう。

一般的な対応として、「生活音について」の注意喚起の書面が掲示板に貼り出される。

 

 

小さなお子さんのいらっしゃる家庭では、それが我が家の出来事のように感じたりもするだろうし、「それって私の家のことですか?」、管理会社に確認される方もいらっしゃるだろう。

意識付けとして掲示するのは、そこに意義があるようにも思えるが、日頃から生活音に注意を払っている住人さんからしてみれば、嫌みに思えたりもするだろう。

人に迷惑を掛ける、それは人として誰しも嫌うことではないだろうか。もし自分が当事者であることを知ればそこで悩んだりもするだろうし、人によっては深刻な悩みになる。

掲示する方法ではなく、その範囲を狭めて周辺住戸に書面を配付したりもするが、多いか少ないかだけの差で、やっていることは結局は同じに思える。

周知により一時的には改善がなされるが、ほとぼりが冷めたらまた再発する。実情としてその繰り返しが多いのではないだろうか。

やはり本人同士が話し合う、相手の家族構成とか生活パターンを知り、お互いの顔を知る、最初は互いに嫌な気持ちになるだろうが、それが解決策として早い。当人が望めば、そこに管理会社とか理事長(嫌な役目になるだろう)が間に入ることもできる。

管理会社が立ち会うとか、理事長が立ち会うとか、個人間の問題には干渉しないとか、マンション毎にその考え方は異なるだろう。

互いのことを考える。そこで悩むことが多かった。

 

自転車やバイクが一杯で駐輪場が飽和状態になっている、そんなマンションを見かけたりもする。昼間の駐輪場は閑散としているが、夜になるとその実態が窺える。

駐輪場の使用にあたっては、明確なルールが無ければ、そこには早い者勝ちという暗黙のルールが存在したりもする。

マンションによっては、駐輪場のルールを細かく決めているところもあるのだが、ルールというのは途中で決めることは難しい。利害がそこにあるから、本来なら最初に決めておいた方がいい。

ルールが無い、駐輪スペースが小さい、自転車やバイクの需要が多い、この3つが揃うとマンション内で揉めることが多い。

「自転車やバイクが置けない」「自転車やバイクが出しづらい」「私の駐輪場所に別の居住者の方が止めている」「一世帯で何台も駐輪しているけど、それっていいの?」、色んな意見、内容によっては苦情が管理会社に入ってくる。

 

そこで理事会が開催され、駐輪場のルールについて話し合いが持たれる。駐輪場の増設、台数規制、料金徴収、予約制など意見は様々である。

複数の自転車を所持されている理事から、台数規制、料金徴収、これに対して反対意見が上がったりもする。そうなると急に理事会がしらけムードになる。

個人的には、駐輪場の使用料を徴収する方法は不公平さを解消する意味で有効な手段だと思っている。それを過去に一度だけ理事会に提案したことがあるのだが、理事会終了後にひとりの理事からこっぴどく叱られた苦い経験を持つ。

「うちは自転車を4台置いているから料金徴収の話は公の場でするな!」

今だから言えるが、それって自己都合だろうと言い返したい(笑)。

それ以降、この料金徴収の話は公の場で口にしていない(笑)。

利害が絡むと面倒になるから、出来る限り事後検討は避けたい。

 

 


-語り

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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