マンション管理

マンション管理を変えるのは容易ではない?

2018年1月31日

 

 

物事は最初が肝心」、これはマンション管理にも言えることだと思う。

最初からあるものを途中で変えることは難しい。慣れてしまうとそれが当たり前になってしまったり、変えることが面倒に思えたりする。

例えば、こんなケースがある。

最近の新築マンションでは、インターネットに接続するための回線や設備が全ての住戸に最初から導入されているケースが増えている。

室内にある専用モジュラージャックにつなげるだけで、入居後すぐにインターネットが利用できる。1世帯当たりの料金も割安になっているから、価格の面で利用者にとってはメリットが高いと言える。

既設のマンションにこのサービスを導入することは難しい。既に別のプロバイダーと契約されていたり、利用されていない方がいたり、個々によって事情が異なるから、反対者が必ずそこにはいる。これは管理会社時代に実際に経験したことでもある。

このことからも「最初が肝心」ということが言える。



分譲マンションでは、公平性というものが求められる。共用部分(互いに共有する箇所)は、この考え方が必要になろう。

マンションの分譲会社によって最初に決められたものが、客観視すれば不平等に感じることがある。それが駐車場の使用であったり、バイク置場や駐輪場の使用であったり、管理規約の中身であったりもする。

管理組合によっては、これらを途中で見直す、それを実施しているマンションもあるのだが、実現するまでの過程は決して容易ではなかったと思う。

途中で変えるというのは、時間が経つに連れそれが難しくなっていく。

 

 

誰しもが間違だと気付いていることを公の場で口にする人はそうはいない。もし、それを口にして、仮に多くの賛同が得られたとしても、一方で不利益を被る同じ住民(所有者)がそこにいるとしたら、罪意識に駆られてしまうこともあるだろう。

分譲マンションの管理の難しさは人にある。これは私の管理会社に培った経験でもある。だから何事も最初が肝心と言える。

 


 

-マンション管理

執筆者:

関連記事

マンションの「管理の質」について考える!

  マンションの管理会社の変更時、管理コストを削減する際によく用いられる言葉があります。 ▶ 管理の質は下げない ▶ 管理の質は落とさない ▶ 管理 …

マンションの照明のあれこれ!

  マンションの照明切れのチェックは、月に1回から2回程度、管理会社(現地の管理員)が行っている。 そのときに全ての照明を点灯させ、照明の交換を同時に行っている。白昼に全灯させているから、住 …

マンション管理は管理組合自らが行うべき|他人依存は危険!

マンション管理の主体はあくまで管理組合です。管理会社に委託するにしても、そこに自分たちの意思がなければなりません。任せっぱなしにするのはとても危険です。 しかしながら、マンション管理のやり方が分からな …

マンション管理|他人任せは自分の身に降りかかる!

  マンション管理は「他人任せ」はダメ、これが通説になっているのだが、視点を変えるともっと理解が深まる。 今回、これについて語りたい。   マンション管理は誰が行う マンション管理 …

情報収集は自ら行うことが大切!

  理事会で協議する際は、事前にテーマ(議題)を理事全員に周知すべきである。理事会当日にテーマを公表されても有意義な理事会にはならない。次回に持ち越しというパターンになりがちだ。 効率よく理 …




 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

 ブログ内検索
 カテゴリー