分譲マンションには、建物の共用部分・建物の付属施設・敷地の管理を行うために「管理組合」という組織があります。この管理組合はマンションの区分所有者(組合員)で構成された組織です。
管理組合の運営にあたって、役員を選任したり、物事の取決めを行う話し合いの場が「総会」であり、健全なマンション管理を行うために必要な会合となります。
総会で決まったことを遂行したり、日常の管理運営業務を遂行していくのが「理事会」という組織です。この理事会は管理組合を代表する役員で構成され、この役員は管理組合の組合員の中から管理規約に準じて選出されます。
マンションの管理運営を上手に行っていくためには、理事会の活動は必要不可欠なものとなります。そこは企業の役員会(取締役会)と同じです。
この活動状況によってマンションの良し悪しが決まるといっても過言ではありません。なので、理事会活動の在り方がマンション管理に影響します。
本末転倒の実務
理事会が全く開催されていない、通常総会前に開催される決算理事会(1回)のみ、このようなマンションは、管理会社主導型のマンションと言えます。
理事会というのは、マンションに関わる問題や課題について話し合う場でもあります。問題や課題がないマンションはこの世に存在しません。
なので、理事会の開催頻度が少ないマンションは、失礼な言い方になってしまいますが、理事会が機能(活動)していないということになります。
理事会が機能していない管理組合では、総会の時に意見が多かったり、時間が余計に掛かったり、物事が中々決まらない、このようなケースが多々見受けられます。舵取り役がいないから、誰もが言いたい放題というシーンが目に付きます。
理事会が手薄になると総会が上手くいかない、私がこれまで数多くの管理組合と接してきて、そこから学んだことです。
理事会は管理組合を代表する立場にあります。自分たちのマンションのことを真剣に考える、そして色んな問題点を見つけ出すことも役割と言えます。
「マンションをもっと良くしていこう」、理事になられた方はこの考え方が必要ではないでしょうか。この考え方を持つと問題意識とか課題が見えるようになります。そして当然に話し合いの場が増えます。
逆に「面倒だから管理会社が全てやってくれる」、この考え方を同じように皆さんが持たれると、管理組合の主体性(自主性)がなくなり、自分たちのマンションでありながら、他人が支配するマンションと化します。
管理会社は当事者ではありません。マンション管理を業とする営利事業者です。そこは理解しておく必要があります。
管理会社主導の管理というのは、一見すると楽そうに見えますが、管理会社の都合で全ての物事が決まるというリスクを負います。結果として金銭的な負担が過剰に増えます。そこが営利事業者ということですね。
管理組合という組織、そして総会や理事会をないがしろにすると、「マンションはダメになる」、私がこれまでの25年間、マンション業界で学び知り得た真実であります。
理事会の役員になられたら、このことを是非思い出してほしいです。