先日、自主管理を勧めるマンション管理士には絶対に頼んではいけない、そんな記事をネット上で拝見した。
元管理会社(業界人)の私がそれを読んで、「管理会社にとってありがたい記事だなぁ」とそのように感じた。
ネット上にはマンション管理に関わる様々な記事が掲載されているのだが、それぞれに思惑があると思う。
管理会社、マンション管理士、マンション管理コンサルタント、スポンサーが背後にいるブロガーなど、当事者にとって都合のいいことしか書かない。
書かれている内容がそれぞれに異なるから、何が正しいとかその情報を知りたい読み手にとっては困惑することが多いのではないだろうか。
ちなみに私は、いずれにも該当しない。一切利害がない、だから露骨に真実が語れる。ひとりのしがないマンション所有者である。
ネット情報というのは、提供者側の思惑や真意を見抜かなければならない。
冒頭の記事も、マンションデべロッパーを顧客とする業者のブログである。マンションデべロッパーには系列管理会社がいるから、その管理会社にとって都合の悪い記事は書けまい。
掲載元、これもまた、真意を見抜く材料となる。
自主管理を勧めるマンション管理士には絶対に頼んではいけない。確かに利己主義のマンション管理士だとすれば、それは頷ける。
マンション管理士の主な業務は、カウンセリングやコンサル業務である。業務の中には管理費削減という成功報酬型のビジネスがある。
管理費削減に成功すると、その削減できた費用(予算)の50%程度を成功報酬として受け取るケースが見られる。管理組合はその削減できた費用からそれが補えるし、成果報酬だから互いにとって理想のビジネスに思えたりもする。
大型のマンションともなれば、成功報酬は当然膨大な金額となる。その成功報酬を多くもらうために削減に関して過剰な提案をする。そんなことが冒頭の記事には書かれていたのだが、利己主義に走るとそのような行為は当然に起こり得る。
自主管理を勧める、そこには管理会社が受け取っている大幅な経費(事務管理費)が削減できるから、マンション管理士の報酬は各段にアップする。そんなことも書かれていたが、もしそれが本当に報酬目当だとすれば、そんなマンション管理士はいらない。
冒頭の記事に書いていることには確かに理はある。だがしかし、全てのマンション管理士がそうとは限らない。熱心に管理組合をサポートされているマンション管理士の先生方はたくさんいらっしゃると思う。
自主管理を勧めることは決して悪いことではない、そこが言いたい。管理組合の存在意義を追求すれば、理想は自主管理に行き着くと思う。最初から委託管理が採用されているから、それが慣習化されているだけだと思う。
原点は自主管理、そこからそれぞれの業務を業者に委託していく、この流れ、この考え方が必要ではないだろうか。
逆に委託管理を勧めるマンション管理士の方が疑わしく思える。そして管理会社と結託するマンション管理士はもっと信用できない。
マンション管理業界の裏側をこれまでの長い間、業界人として携わり見てきたが、今の管理会社の仕事というのは、決して誇れる仕事ではない。これはマンションデべロッパー、建設会社にも言えることだ。
もっと既存顧客を大切にしなさい!
それぞれの業界に欠けているもの、全てはそこにある。