管理会社を変更する理由は何ですか?
私の管理会社時代に、管理会社の変更理由として多かったのが「管理費用が高すぎる」「トラブルなどの対応に不満を感じる」「何も提案しない」の3つでした。
いずれも管理会社を変更したくなる気持ちは分かりますが、その多くが管理会社を変える前に解決できたりもします。
管理費用が高すぎる
この場合、今の管理会社が値下げに応じれば、そこで解決に至るケースがほとんどです。
トラブルなどの対応に不満を感じる、何も提案がない
それが今のフロント担当者だけの問題だとしたら、管理会社に相談して担当者を変えてもらえば済む話かも知れません。これはフロント担当者に限らず管理員にも言えることです。
管理会社変更には明確な変更理由が必要!
実際に管理会社変更に至ったケースでは、個々ではなく管理会社の企業体質に問題があり、改善要請を行ったにも関わらず改善が全く見込めない、それが変更理由になっています。
なので、管理会社の問題点を箇条書きにして、管理会社に対して改善要請を行い、そこで改善が見込めないと判断すれば、それが明確な変更理由になります。
また、建物の瑕疵問題が起きた際に分譲会社の子会社にあたる管理会社が、管理組合の立場よりも分譲会社の立場を優先するといったケースがあります。そこで管理会社の対応に不満を感じる、これも変更理由の一つと言えます。
しかしながら、これだけでは不十分なんですよね。区分所有者の中には、管理会社に好意を抱かれている方がいるでしょうし、管理会社(子会社)を変更したら分譲会社との縁が切れて、今よりもアフターが悪くなるのではと心配される方も中にはいます。
なので、分譲会社を含めた話し合いをやってみて、そこで解決に至らなければ、管理組合の立場で瑕疵問題に真摯に取り組んでもらえる管理会社に変更する、そうすることで明確な変更理由へと変わります。
私は分譲会社と子会社の双方にいたので内情はよく理解しています。そう簡単に企業体質というのは変わりません。全ては経営者トップの考え方一つなんですよね。
子会社にいたときに、親会社(分譲会社)とアフターの在り方を巡りよく衝突して、それが嫌になって自分で管理会社を立ち上げましたが、管理会社選びは、管理組合を第一に考えてくれるところが一番です。
もう一つ例に挙げると、管理会社による横領事件や法律違反による行政処分、大規模修繕における癒着談合の発覚などにより、信頼関係を損なうケースがあります。これも変更理由に該当しますが、この場合、その行為自体が明確な変更理由と言えます。
実際にこのパターンで管理会社の変更に至ったケースは多いです。そもそも管理委託契約というのは、互いの信頼関係によって成り立っているので信用できない相手と契約を継続すること自体が問題に思えます。
くどいようですが、企業体質はそう簡単に変わるものではありません。横領事件を犯した管理会社が再び同じ事を繰り返すといった事例から見て取れます。
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