マンションの管理状況が評価される時代へ!
ご自分が所有されているマンションの評価って気になりませんか?
第三者により、Sランク、Aランク、Bランクって具合に評価される時代へと変わっています。
マンションの管理組合によっては、“余計なお世話”なんて感じるかも知れませんが、無関心ではいられません。
現在、一般社団法人日本マンション管理士会連合会(日管連)が実施している「マンション管理適正化診断サービス」というものがありますが、このサービスの特徴は、診断結果に応じて「S」「A」「B」の3等級の評価を付しており、評価が高いと日新火災海上保険株式会社(マンションドクター保険)の割引が適用されるというメリットがあります。
また、「S評価」となったマンションには、日管連から管理運営状況が優良である証となる「S評価ステッカー」がもらえます。マンションによっては、玄関入口付近にこのS評価のステッカーを貼っているマンションを見かけたりもします。
診断内容については、診断マンション管理士がご依頼のあったマンションに出向き、管理運営状況、修繕計画状況、法定点検・修繕工事・防犯対策・防火管理・保険事故履歴などマンションの管理状況全般を対象に、目視・書類チェック・ヒヤリングを行います。
このサービスでは、診断結果やアドバイスを記載した診断レポートというものが提供されますが、そこでマンションの評価を知ることができ、マンションの建物設備や運営等の管理水準の維持・向上を図るための基礎資料として活用できます。
近年、火災保険や地震保険の相次ぐ値上げにより、保険会社の見直しを行う際に、この診断サービスを活用される管理組合が増えているものと思料しますが、保険会社からしてみれば、等級(評価)によって、容易にマンションの管理状態を知り得るので、これから他の保険会社にもこういった評価サービスが波及するものと思われます。
ただし、課題もあります。それは、評価する側の手腕です。この診断サービスで言えば、診断マンション管理士の裁量ですかね。
評価が高いのになぜか保険事故が多い、なんてことが実際に起きていますから、保険会社側からしてみれば、そこに大きな誤算?が存在するわけで、この評価サービスの在り方とか、保険会社の考え方が今後変わるかも知れませんね。
リスクを回避するための評価が当てにならなければ、保険会社にとって意味を成しませんからね。そう考えると、評価の目的って重要だと感じませんか。
管理組合が評価を意識して、そこに改善していこうという意思がなければ、単なる第三者の良し悪しの材料に利用されるだけのように感じます。
ところで、一般社団法人マンション管理業協会が「マンション管理適正診断制度」の発足へ向けた取り組みを開始しています。日管連と同じマンションの管理状況を評価するという制度です。
2021年4月に本制度が開始される予定になっていますが、内容は私が知る限りマンション管理適正化サービスと同じに思えます。
違う点があるとすれば、マンションの管理会社が評価にあたり関与するという点です。ここでも評価の在り方というのが問われます。だって、管理会社のサポート力の評価にも繋がりますからね。
管理会社にいる私の知人たちから話を聞くと、この制度こそ“大きなお世話”って愚痴ってましたね(笑)。この評価を行うために仕事は増えるし、今後、管理組合からの要望は確実に増します。
しかしながら、こうでもしないとマンション管理会社の質というのは上がらないと思います。なので、この制度の実施には賛成ですね。ただし、管理会社が評価に関与するのは反対です。
だって、関係者自らが評価を行うなんておかしいでしょ。それに②管理状態のチェックは誰がやるんですか? 管理会社の経営陣たちはやらないでしょ。結局のところ、多くの物件を抱えているフロントマンに押し付けるのがオチです。
フロントマンが今以上に仕事を増せばどうなるのか、正直無理だと思いますよ。これ以上、サービスの質を下げてどうすんのって感じます。
本音で書けばこうなります(笑)。
マンション管理適正診断制度について、詳しくはこちら👇
▶ 一般社団法人マンション管理業協会/マンション適正評価制度