マンションの管理状態が評価される時代へ!
自分が所有しているマンションの評価って気になりませんか?
5つ星ホテルのように星の数によってマンションの管理状態を評価する制度が来年4月に開始される予定です。
マンションの管理組合によっては、“おおきなお世話”なんて感じるかも知れませんが、無関心ではいられません。
現在、「マンション管理適正化診断サービス」という一般社団法人日本マンション管理士会連合会(日管連)が実施している制度がありますが、このサービスの特徴は、マンションの管理状況を診断し、この評価結果に応じて日新火災海上保険株式会社(マンションドクター保険)の保険料の割引が受けられるというメリットがあります。
また、診断結果に応じて「S」「A」「B」の評価に分けられ、S評価となったマンションには、日管連から管理運営状況が優良である証となる「S評価ステッカー」がもらえます。マンションによっては、玄関入口付近にこのS評価のステッカーを貼っているマンションを見かけたりします。
診断内容については、診断マンション管理士がご依頼のあったマンションに出向き、管理運営状況、修繕計画状況、法定点検・修繕工事・防犯対策・防火管理・保険事故履歴などマンションの管理状況全般を対象に、目視・書類チェック・ヒヤリングを行います。
このサービスでは、診断結果やアドバイスを記載した診断レポートというものが提供されますが、そこでマンションの評価を知ることができ、マンションの建物設備や運営等の管理水準の維持・向上を図るための基礎資料として活用できます。
近年、火災保険や地震保険の相次ぐ値上げにより、保険会社の見直しを行う際に、この診断サービスを活用される管理組合が増えているものと思料しますが、保険会社からしてみれば、数字化された評価によって、容易にマンションの管理状態を知り得るので、これから他の保険会社にもこういった評価サービスが波及するものと思われます。
ただし、課題もあるようです。それは評価を行う診断マンション管理士の手腕です。本来、評価が高ければ事故件数(保険適用件数)のリスクが減る、この目的があって保険料が割引かれるわけですが、評価が高いのになぜか事故件数が多いといった矛盾が生じていたりもします。
なので、これからこの評価の在り方とか、保険会社の考え方が変わるかも知れません。
リスクを回避するための評価が当てにならなければ、保険会社にとって意味を成しませんからね。そう考えると、評価の目的って重要だと感じませんか。
管理組合が評価を意識して、そこに改善していこうという意思を持たなければ、実情とは矛盾した単なる第三者の良し悪しの材料に利用されるだけのように感じます。
ところで、一般社団法人マンション管理業協会が「マンション管理適正診断制度」の発足へ向けた取り組みを開始しています。日管連と同じマンションの管理状況を評価するという制度になります。
2022年4月に本制度が開始される予定になっていますが、内容は私が知る限りマンション管理適正化サービスと同じに思えます。
違う点があるとすれば、マンションの管理会社が評価にあたり関与するという点です。ここでも評価の在り方というのが問われます。だって、管理会社のサポート力の評価にも繋がりますからね。
管理会社に勤めている知人に話を聞くと、この制度こそ「大きなお世話」だって愚痴ってました(笑)。この評価を行うために仕事は増えるし、今後、管理組合からの要望は確実に増えると嘆いていました。
しかしながら、こうでもしないとマンション管理会社の質というのは上がらないと思います。なので、この制度の実施には賛成します。ただし、管理会社が評価に関与するのは反対です。
だって、関係者自らが評価するなんて適正な評価など期待できません。それに➁の管理状態のチェックは誰がやるんですか?管理会社の経営陣たちはやらないでしょ。結局のところ、多くの物件を抱えているフロントマンに押し付けるのがオチです。
フロントマンが今以上に仕事を増せばどうなるのか、正直無理だと思いますよ。これ以上、サービスの質を下げてどうすんのって感じます。
本音で書けばこうなります(笑)。
マンション管理適正診断制度について、詳しくはこちら👇
▶ 一般社団法人マンション管理業協会/マンション適正評価制度