今年4月からマンション管理の新たな取り組みとして2つの制度が開始されます。管理会社の業界団体(一般社団法人マンション管理業協会)が創設したマンション管理適正評価制度、そしてマンション管理適正化法に基づき、国が創設したマンション管理認定制度です。
同時期に開始されるので、少し分かりづらいところがありますが、いずれもマンションの管理状況について市場で評価されるという点に注意が必要です。
マンション管理適正評価制度の6段階評価への疑問!
この制度は、文字通りマンションの管理状況の評価を行うための制度です。審査項目は30項目あって100点満点で採点し、6段階に分けられ☆の数で評価されます。詳しくは下に審査項目と採点が分かる資料のリンク先を貼っておきます。
▶ 一般社団法人マンション管理業協会/マンション適正評価制度/等級評価項目一覧表
当初は5段階の評価(S、A、B、C、D)になっていましたが、途中で6段階評価(☆5から☆0)に変更されています。
☆印といえば、5つ星ホテルとか5つ星レストランを思い浮かべますが、アルファベットの表記より☆の数で表記した方が確かにインパクトはあります。制度開始後、不動産の売買広告に「管理の行き届いた5つ星マンション」といったキャッチフレーズを目にする機会が増えると思います。
これまで見えにくかった管理状況の中身の部分が☆の数によって評価されるので、第三者にとってみれば容易に把握できますし、逆に管理組合にとってみれば、評価結果により自分たちのマンションの管理状況をそこで知り得るので、きっと色んな課題が見えてくると思います。
この制度の進め方として、まず最初に事前評価を行うことになります。事前評価というのは、情報公開を行う前にマンションの管理状況の評価を事前に知ることを意味します。
事前評価により、自分たちのマンションの評価が高ければ、総会決議を経て情報公開に踏み切れるでしょうけど、逆に低い場合はどうすんの?って、きっと皆さん悩まれると思います。
☆5、☆4だと外部へのアピール材料になるから情報公開に至る確率は高まります。☆3の場合はどうでしょう(微妙…かな)。☆2、☆1の場合は、恥ずかしくて情報公開は避けようになるのでは。
☆0というのはあって無いようなものです。なぜなら、管理不全のマンションの場合だと、事前評価すら行えません。ましてやその先の情報公開など不可能です(笑)。そう考えると☆の数の6段階評価って、情報公開を前提で考えると意味がないように思えます。(私だけかな?)
結局のところ、この制度は任意なので、評価の高いマンションは情報公開を行い、評価の低いマンションは情報公開は行わない(行えない)、こうした二極化が生じてしまいます。
管理計画認定制度のように一定条件を満たせば認定が受けられ、市場で高い評価が得られる、この方が至ってシンプルです。
6段階評価について少し気になったので、今回記事に書き綴りました。面倒なことを嫌うのが管理組合なのかなって感じます。
前述の事前評価は委託先の管理会社に依頼すれば行ってもらえます。そろそろ委託先の管理会社から説明があると思います。私の住んでるマンションでは、フロント担当者が優秀なのか、制度に関する資料が掲示され、早々に事前評価を依頼しています。
私が思うにマンション管理適正評価制度って、管理会社の質の向上を目的とした制度に思えます。業界団体のマンション管理業協会が創設した制度ですからね。☆0無しの5段階評価で管理会社のサポート力を評価する。この目的の方が良かったのでは?(笑)。